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サウジ・UAEへの軍事援助が停止される可能性

日本の兵器が世界を救う: 武器輸出より武器援助を!

国防権限法にこうした条項があるのは知りませんでした。

  「超党派上院議員らがトランプ政権にたいして、サウジアラビアアラブ首長国連邦が人道的基準を満たしているかどうかを保証するという法律に準拠するように求め、そうできないのであればアメリカの軍事援助を削減すように要求した。
 その書簡は、現在進行中のイエメン内戦への対応として提出された。上院議員たちは、イエメン内戦は「人道危機」を生み出しており、この内乱が続く限り、アメリカの国益が脅かされると主張している。
 上院議員らは、ポンペオ国務長官への書簡の中で、「ご存じのように、イエメンは世界でも最悪な人道上の危機に苦しんでいる」と記している。
 「進行中の内戦はこれらの恐ろしい人道的状況を生み出し、悪化させている。イランと他の非道なアクターは、アメリカとそのパートナー、その国益を脅かすことで、内乱に起因する不安定性から利益を引き出している。この人道危機と我々の国益にとっての脅威は、内線が続けば続くほど、悪化すると我々は信じている」
 この書簡に署名したのは、ジェーン・シャヒーン(民主党ニューハンプシャー州選出)、スーザン・コリンズ(共和党メイン州選出)、クリス・マーフィー(民主党コネチカット州選出)、ベン・カルダン(民主党メリーランド州選出)、ジャック・リード(ロードアイランド州選出)、クリストファー・コーンズ(民主党デラウエア州選出)、ティム・ケイン(民主党、ヴァーモント州選出)、コリー・ブッカー(民主党ニュージャージー州選出)らである。
 問題になっているのは、最近可決された国防権限法(National Defense Authorization Act (NDAA))の条項である。この条項は政府に30日以内にサウジアラビアアラブ首長国連邦のイエメン内戦での振る舞いが、戦争終結に役立っているか、人道危機を軽減し、市民を保護しているかを確認することを求めている。
 サウジアラビアは、イランに支援を受けたフーシー派の反乱軍に対する2015年から始まった内戦での主要な同盟を先導している。アメリカは、その同盟を、情報協力、空中給油、何十万ドルもの兵器売買といった兵站で支えている。
 国防権限法の下では、トランプ政権が確認を実行できなければ、同盟軍への空中給油は停止しなければならない。
 アメリカの議員のサウジの連合への忍耐は、市民の死者が増加するにつれて、徐々に損なわれている。
 8月初め、同盟はスクールバスを爆撃し、40名もの子供を殺害した。
 国連の報告書は、紛争のすべての当事者が戦争犯罪に関係している可能性があると述べた。
 スクールバス爆撃と国連の報告書の後で、ジェームズ・マティス国防長官は、記者に、同盟への支援は「常に再検討している」外部田が、援助がいつ停止されるのかに関しては一切示さなかった。
 「実際には、あの戦場は人道的な戦場で、我々は悲劇を認識している」と国防総省での記者会見でマティス国防長官は述べた。「しかし、我々は、我々が着任した際に、アラブ同盟に対する支援を再検討した。ご存じの通り、我々が政権入りする前からこの内乱は始まっていた。我々は再検討し、彼ら自身が自分の国を守るために、そして性いとうな政権を再興するために、我々が支援することは正しいという結論を下した」
 国防権限法における確認の要求は、法案が可決された後、トランプ大統領が反対したいくつかの条項の内の一つだった。そのために政権がこの条項に従うかどうかは不明である。
 書簡の中で、上院議員らは、法案が可決される前に共和党民主党がこの条項を承認したプロセスを明らかにしている。
 「上院外交委員会と上院軍事委員会が、我々の法案のこの条項を承認した」、と水曜日の日付がある書簡の中で彼らは述べている。「したがって、上下院から国防権限法の協議に参加した議員は、この法案の最終案にこの条項を盛り込むと決定した。それは、上下院で満場一致で可決され、大統領に提出された」
 この条項によって、確認を行うことができない場合には、国家安全保障のために同盟国の航空機に対する給油を継続することができなくなる。しかし、もし、トランプ政権がこの権限を放棄するならば、政権は、秘密に指定されていない正当化の根拠を議会に提出する必要がある。
 「もしこの権利放棄を利用するならば、要求されているようにこの報告書が再び検討されることを我々は楽しみにしている」と上院議員らは述べている。「法律に則って、我々は9月12日までに書面の、詳細で機密解除された保証をチェックすることを楽しみにしている」」

Senators press Trump administration on Yemen civil war | TheHill

 トランプ政権がいかに親イスラエル政策・反イラン政策を採用しようと、議会の中には慎重な動きもあると言うことでしょう。サウジアラビアの軍事力に関しては、そのほとんどが事実上の傭兵であり、実戦ではあまり当てにならないのです。ただ、サウジのモハンメド・ビン・サルマン皇太子は、野心的に自国を改造しようとしており、トランプ大統領と極力政策をすりあわせているようです。その見返りが、イエメン内戦での米軍からの間接的な支援であるといえます。
 ただ、一般市民の犠牲者が増え続ける中で、そうした中途半端な政策はかえってアメリカの世論を逆向きに動かしてしまうことになります。トランプ大統領は、それを避けたいのでしょう。
 ポンペオ国務長官への書簡にしても、基本的には民主党上院議員が多いのですが、現在のイエメン紛争への米軍の関与に心配しています。醜聞に終われば、アメリカが中東に関与することがきわめて困難になります。整合性があまり見られないトランプ外交がどこかで軋んでいるように見えます。
 ですから、アラブ版NATOはやはり無理だと言わざるを得ません。