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武器売却とNAFTAの行方

壊国の契約―NAFTA下メキシコの苦悩と抵抗

  トルコへのF35の販売は立ち消えになってしまいましたが、メキシコは事情が異なるようです。

  「米国務省は、レイセオンが製造した武器を初めて購入したメキシコ海軍向けに、改良型シーパスローミサイルを売却することを承認した。
 改良型シースパロー戦術ミサイル6個と進化したシースパローテレメトリーミサイル2個、そしてMK 56 VLSランチャー1個を含め、予想される費用は4,100万ドルで、メキシコからの最初の買収として注目に値する。

 米国防安全保障協力庁(USSA)の発表によると、メキシコの新しいシグマ10514級フリゲートに装備する予定だ。

「このシステムは、重要な海路を効果的に防御するための強化された能力を提供するだろう。これらのシステムおよび支援サービスの販売は、メキシコ海軍の海上パートナーシップの可能性を高め、既存の地域海軍とその能力を調和させるだろう」と米国防安全保障協力庁は声明で述べている。

 また、様々なサポート装備も潜在的な販売に含まれている。売却に関連する政府の割引はない。
 すべてのDSCAの発表と同様に、売却は上院の承認を必要とする。この段階で、その時点で交渉が開始される。販売量とその売却額総額は、当初のDSCAの発表からは、しばしば変化することがある。」 

Missiles for Mexico gets US approval

 たかがミサイルということなのかもしれませんが、トランプ政権の時のメキシコ敵視政策はきれいに消滅していることがわかります。「国境の壁」の話も最近ではトンと聞かなくなりました。

 その背景として、カナダに比べ、メキシコの経済的重要性が大きいことをトランプ大統領が納得したためだと考えられます。メキシコ側の事情としては、メキシコ次期大統領としてロペスオブラドール氏が当選したことも重要なファクターです。ロペスオブラドール氏は、NAFTAの早期締結を目指しており、カナダのトルドー首相のように、決まりかけていた取り決めを土壇場で覆すということがないことは明らかです。アメリカとカナダの関係悪化には、そうしたトルドー首相の手癖の悪さに起因している面が大きいと考えられます。

 こうしてみると、中長期的には、そしてメキシコ国内の治安問題を別にすれば、メキシコ投資は大丈夫ではないかと考えられます。