エルドアン、強気の秘密
アメリカ人牧師が15日にアメリカに返還されるという噂ばかりは目にするのですが、どうも実態がありません。トルコの外相は、NATO脱退5秒前のような演説をしていますし、アメリカに対して強硬な姿勢を崩していないように見えます。
エルドアンが、というか、リラがギリギリのところでとどまっているのはやはりあの国が背後に回ったためでしょう。
あの国とは何か、それはロシアではありません。ドイツのメルケルです。
すでに7月末に発表はされていたのですが、2014年以来4年ぶりの会談です。9月末に設定されてはいますが、日程はまだ定まっていないようです。
エルドアン大統領とメルケル首相は、移民問題、そしてトルコのEUへの加盟問題で大きく対立していました。そこにエルドアンの訪独ですから、何か真意があると考えた方がよさそうです。今回は、エルドアンにせよ、メルケルにせよ、「反米」ということで共通点を見出しています。これがなければ、エルドアンの訪独はなかったでしょう。まだメルケル本人からのトルコ・リラに関する発言はありませんが、どちらかといえばトルコを擁護する側に回ることは明らかです。
また、例えば南ドイツ新聞では、「たとえBBVAがトルコの取引全体を償却し、何十億という損失をもたらしたとしても、銀行の存在は危険にさらされることはない」と述べていますので、今回のリラ暴落の影響は限定的とみられています。
たとえ牧師を返したとしても、金利を上昇させねばリラは持たないはずです。しかし、今回のリラ暴落騒動は、一旦は幕引きのようです。