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トルコ・リラ・・・マゾなの?Part2

悪徳の栄え [DVD]

 今回取り上げるのは、イタリアのUniCreditです。

 「 イタリアのUniCreditは、トルコで地政学的リスクに「特別な注意を払っている」と述べた。現在、リラの下落によって地方銀行ベンチャー部門の資産が減価している。
 資金コストの上昇により、個人や外国銀行が貸し出しを渋っており、「信用拡大に基づいた成長モデルは終焉に近づきつつある」とUniCreditは、先週金曜日に発表された今年前半の報告書で述べている。同日、ヨーロッパの銀行の株価はトルコへのエクスポージャーを理由に大幅に下げた。この報告書によれば、銀行の危機管理部門は、とりわけ、ロシア、ブレクジット、金融規制に関心を払っていると述べている。

 UniCreditは、14カ国に進出し、2500万の顧客を持つ銀行帝国の一環として、トルコのヤピ・クレディ銀行を管理している。このイタリアの銀行は、時価で10億ドル相当の金額をこの4か月以内に投入している。リラは対ドルで下落している。それはトルコとアメリカの関係が悪化し、エルドアン大統領が通過を防衛するための金利上昇を批判しているためだ。

 ヨーロッパの銀行の株価は金曜日下落した。トルコリラは記録的な24%下落をみせ、一ドル当たり6.5リラの水準に達している。UniCreditの株価は、この2ヵ月で最大の6.7%下落していたが、ミラノ市場が始まると、さらに5%下落した。UniCreditの株価はイタリア銀行株価のベンチマークであるFTSE MIB indexの中で最悪であり、48行が登録されているSTOXX Europe 600 Banks Indexでは二番目に悪い。

 ファイナンシャル・タイムズ紙によれば、欧州中央銀行(ECB)は、UniCredit、スペインのBanco Bilbao Vizcaya Argentaria SA、それにフランスのBNP Paribas SAといった何行かの貸し手に懸念をもっている。しかし、当局は事態を深刻なものとは考えていないとFTは伝えている。
 先週初め、UniCredit執行役員のジャン・ピエール・ムスティエは、トルコ危機の収益への影響は軽微であると述べた。リラの動きのインパクトは「極小」であり、ヤピ・クレディ銀行のパフォーマンスを賞賛した。UniCreditは、「トルコにおいて長期間活動しており、景気循環を経験している」と8月7日の電話会議でアナリストに述べている。
 UniCreditは、ヤピ・クレディ銀行の株式を地元のKoc Holding ASと共同で、2005年に購入した。ヤピ・クレディ銀行は、6月30日の段階でUniCreditのリスク資産の7%を占めていた。第二四半期におけるヤピ・クレディ銀行のUniCreditへの貢献は、通貨変動を無視すれば、27.5%上昇していた。リラの減価を考慮すれば、それから3.4%下落すると8月7日にUniCreditは述べている。
 火曜日に発表された今年前半の報告書は、銀行の第二四半期の結果を補足しており、アナリストの評価を覆した。UniCreditの女性スポークスマンは、この報告書へのコメントを拒絶し、ムスティエのコメントに言及した。
 ロシアに関しては、更なる制裁という西側諸国との「行き詰まりの悪化」にもかかわらず、ロシア経済は向上の兆しを見せているとUniCreditは述べている。しかし、制裁、関税、それにロシア政府の動きは未だに危うい状態にあると述べている。」

UniCredit Watching Turkey Risk as Erdogan Compounds Lira Woe - Bloomberg

 BBVAと同様に、地元の銀行を巻き込んで、不動産投資などに相当融資していたようです。トルコのエルドアン大統領が政策変更しない限り、8月13日から再びトルコ・リラ売りが開始されるでしょう。それに応じてこれらの金融機関の株価はさらに下落するはずです。