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危ないトランプ

またまたあぶない刑事

 そろそろ、トランプ大統領のリスクを考えるべき時期でしょう。

 「ニューヨーク(CNNMoney) 米CNNのホワイトハウス担当記者が「不適切な質問」を理由に会見から締め出された出来事を受け、普段は競争の激しいホワイトハウス記者会が異例の団結姿勢を見せてこれに対抗している。

CNNのケイトリン・コリンズ記者は25日午後、主要テレビ局の代表記者として、トランプ大統領欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長との会談を取材した。

この場でコリンズ記者は慣例に従って、ロシアのプーチン大統領やトランプ氏の顧問弁護士だったコーエン氏について質問した。トランプ大統領は答えなかった。

ところがこの後、コリンズ記者はホワイトハウスのシャイン次席補佐官に呼び出され、その後の会見には出席できないと告げられた。会談の場でのコリンズ記者の質問が「不適切」という理由だった。

CNNはこの措置について「報復的な性格」と位置付け、同業他社も深い懸念を表明した。

普段はCNNと対立する立場にあるフォックスニュースは声明を発表し、「自由で束縛されない報道の一環として、我々の記者が十分な取材をする権利のために、CNNと強く連帯する」と表明した。

NBCのケーシー・ハント記者はツイッターへの投稿で、コリンズ記者が全テレビ局を代表して取材していたことに触れ、「あれはテレビ局を代表する記者からの質問だった。つまり今回の措置は、ホワイトハウスを取材する全テレビ記者に対して向けられた」と指摘。同僚のハーリー・ジャクソン記者も「私が彼女の立場だったとしても、全く同じことをした」とコリンズ記者を支持した。

フォックスのキャスター、マーサ・マッカラム氏は「ホワイトハウス記者会のメンバーを禁止するのは間違っている」とツイートしている。」

CNN.co.jp : ホワイトハウスがCNN記者締め出し、競合他社が異例の団結

 安倍政権の管官房長官の記者会見でも、トンデモ発言を連発する記者を閉め出しません。そうすることによって、民主主義が担保されるからです。必要コストと言い換えても良いでしょう。

 しかし、トランプ大統領のように、気にくわない質問をする記者を閉め出してしまえば、それは民主主義の終わりです。アメリカの大統領府が行って良いことではありません。

 現在のトランプ外交は、非常に危険なロープの綱渡りに見えます。これまでの同盟国、例えばEU諸国や韓国に対しては非常に強硬な態度を崩していません。その上で、安全保障問題を経済問題とリンクさせています。こうした離れ業が可能なのは、国際社会におけるアメリカの特権的な地位のお陰です。

 トランプ大統領に盲点があるとすれば、アメリカの特権的な地位ですら、自然災害には無力だという冷然たる事実でしょう。仮に、カリフォルニアに大地震が起きるか、イエローストーンが噴火すれば、アメリカ、そしてカナダは、想像を絶する被害を受けます。その時には、現在の恐喝外交はできなくなり、むしろ、同盟国の信頼を失った分だけ、アメリカが孤立することになります。

 それと同時に、中国が「こんどこそ」とばかり、西太平洋に対する進出を強めるでしょう。日本はアメリカの助力が期待しにくい状況の下で中国と対峙しなければならなくなります。現在のトランプ政権の危うさは、日本をも巻き込みかねないのです。