FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

命運が尽きたメルケル

タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.354 ドイツ国防軍 戦車兵セット プラモデル 35354

 ここでのポイントは、今週でEUにおける難民問題の合意は実現しないということでしょう。

  「アンゲラ・メルケルはヨーロッパ規模での新たな移民合意を修正しようと必死になっている。しかし、その合意で彼女の連立のパートナーであるギュンター・ゼーフォーファー内相をなだめることは不可能だろう。徐々に、メルケル首相は辞任にむけて追い込まれつつある。
 メルケル首相は、ゼーフォーファー内相率いるキリスト教社会同盟CSU)内部の批判勢力から2週間の猶予を与えられている。ドイツの負担軽減のためにEU諸国との合意を試みるためだ。
 内相の政党はより厳しい移民法を要求している。ドイツは2015年以降既に100万人以上の難民を受け入れている。
 内相はEUの他の国で難民登録を済ませた難民を独逸国外に退去させると脅している。
 メルケル首相は、先週週末に急いで「ミニ・サミット」を開催し、今週の木曜日に開催されるEU首脳会議に先だって困難を解消しようとした。
 しかし、オーストリアギリシャ、マルタ、ブルガリア、ベルギー、オランダ、クロアチアスロベニアデンマークフィンランドスウェーデンルクセンブルク、イタリア、ドイツ、フランス、スペインによる合意は生まれていない。
 予算・人的資源担当の欧州委員会委員であるオッティンガー氏は、メルケル首相と同じキリスト教民主同盟(CDU)に属しているが、次のように警告している。「木曜日から金曜日のサミットまでには進展は見られるだろう。しかし、CSUが望んでいるような次元の合意は無理だろう」
 ダブリン規約の下では、難民希望者は、彼等が最初に到着した国、つまり、たいていの場合、イタリア、ギリシャ、スペインで登録される必要がある。
 12月に、EUの指導者たちは、6月の末までに、亡命希望者を地域全体に移転させる恒久的なメカニズムを確立し、移住者が最初に到着した国に戻される前に、その国にどれだけ滞在しなければならないのかという時間制限を設定する予定であった。
 しかし、ドイツ人はメルケル首相の庇護申請者への開放政策に反対する一方、オーストリアとイタリアの新政府もまた、EU全体の移民政策の改革案に反対している。
 イタリアは改革に熱心に反対している。なぜなら、その改革は、移住者が最初に移住した日から10年間移住者の責任を引き続き維持することを意味しているためだ。
 そして、オーストリアのハインツ=クリスティアン・シュトラーヒェ副首相は、メルケル首相は週末の協議で弱体化したと述べている。
 副首相は、「メルケル首相は政治的に終わった」かも知れないと考えている。
 シュトラーヒェ副首相は、早急な行動を求めている。「EUの解決策を見出すか、あるいは、拒絶された難民をドイツに戻さないのいずれかだ」
 副首相は、もしドイツが難民を拒絶すれば、オーストリアを初めとしてドミノ現象が起きると述べている。
 シュトラーヒェは次のように述べている。「EUが効率的な外部国境管理を開始しなければならないことに注意するよう、最終的に圧力がかかるだろう。」
 今週の首脳会談でEU加盟国間で協議が行われなければ、メルケル首相はオーストリアやイタリアなどの強硬な国との二国間協議に頼らざるを得なくなる可能性もある。
シンクタンクのオープンヨーロッパの政策アナリスト、レオポルド・トローゴット氏は先週、メルケル政権の崩壊が「欧州にとってひどい結果をもたらす」と語っている。
 彼は付け加えた。「メルケル首相が、欧州首脳会議(EUサミット)や二国間協議のいずれにおいても、メルケル首相との欧州連合EU)の交渉で万一失敗すれば、協議は振り出しに戻ることになる」
 バイエルン州CSUは、その場合、特定の亡命希望者を独逸国外まで排除すると宣言している。こうなれば、メルケル首相は非常に微妙な立場に追い込まれることになる。
 「メルケル首相がゼーフォーファー内相を罷免し、連立政権を危機にさらすか、彼女が内相の計画を支持するか二つに一つしか無い。いずれの場合も、メルケル首相サイドの無力さのしるしとなるだろう」
 その一方で、EU外交安保担当の高等弁務官を務めるフレデリカ・モルゲリーニは、加盟国に、アフリカ大陸で難民のスクリーニングをするためのアフリカ・トラスト・ファンドの支持を求めている。
 EUの指導者は、アルジェリアリビア、モロッコチュニジアなどの諸国での帰還センターを支援する準備が整っていると考えられている。」

Merkel on the BRINK: Attempt to strike migrant deal will NOT save her, warns EU chief | Politics | News | Express.co.uk

 内相の提案を受け入れるか、あるいは、連立内閣を割るかの二択を迫られているのがメルケル首相です。連立内閣を割ることになれば、メルケル首相は辞任せざる得ないでしょう。その場合は、そこでおしまいです。その後総選挙になったとしても、ドイツのための選択が躍進するのは火を見るより明らかです。キリスト教民主同盟CDUや独逸社会民主党SPDは惨敗するでしょう。

 政策を変更して内相の提案を受け入れれば、さし当たって、連立内閣を維持することは出来ます。この場合は、総選挙による惨敗は防ぐことが出来ます。しかし、積極的な移民受け入れ政策を採用してきたメルケル首相の転向には、EU内部からも激しい非難に晒されることになるでしょう。

 その結果、イタリアの五つ星運動や同盟がさらに勢力を増し、EU分裂への道が開かれることになります。

 やっとの事で出来た連立内閣ですから、権力欲の塊のようなメルケル首相が、自ら辞任するとは考えられません。とすると、メルケル内閣は存続しても、EUが分裂含みになるという結果が予想出来ます。