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再論:ドイツ銀行の危機

ナチス・ドイツ、IGファルベン、そしてスイス銀行

 ドイツ銀行が、危機だとは言われますが、金融機関全体の問題でもあります。

ただ、ドイツ銀行が倒産した場合、その影響はヨーロッパにとどまらないでしょう。

 「 ドイツの銀行は7,000人の雇用削減を発表し、株価が3.5%下落した一週間後に、S&Pの格付けが下げられた
 アメリカのS&Pは、ドイツ最大の金融機関の格付けをA-からBBB +に引き下げた。
 監督当局が米国支店の経営状況に懸念を示したというニュースの後で、今回の格下げが発表された。
 S&Pはダウングレードが懸念を反映していると述べた。ドイチェバンクの最新戦略は、当初予想していたより激しいリストラ戦略であり、これは「無視できない実行リスク」となる。
 格付機関は、「経営陣は中長期的にはより強固で持続可能な収益性を確保するための論理的戦略に厳しく取り組んでいると考えているが、ドイツ銀行は一定期間での他の企業との比較で、パフォーマンスが低下しており、そのほかの銀行の多くは現在リストラを完了している」としている。
 S&P関係者は、同銀行の戦略を広く支持し、「効率的で効率的な企業および投資銀行部門が最終的には、ドイチェバンクの信用力を支える」と述べた。
 また、同銀行の主要競争相手であるバークレイズ、コメルツバンク、クレディスイスロイヤルバンク・オブ・スコットランドも同様の再編戦略を進めており、すでに「業績改善が始まっている」と述べた。
 ロンドンとニューヨークのオフィスで何千人もの従業員が解雇されると発表したのを受けて、ドイツ銀行の株価は、火曜日、重要な10ユーロを下回り、9.92ユーロを切った。
 臨時ニュースが出されたとき、ドイツ銀行の新CEO、クリスチャン・ズィーヴィングは株主に次のように語った。「もうすこし退屈でも、我々にとっては害にならないのに」
 ズィーヴィング氏は声明で、リテールバンキングは依然として強く、「他の分野では十分な力強さがない」と述べた。
 彼は言った「したがって我々は決定的に行動し、戦略を調整する必要がある。株主にとって現在の利益は受け入れられないので、失うべき時間はもうない
 まもなく開始されるリストラが始まると、株主ロビー団体DSWのKlaus Niedingは次のように述べている。「何年も前から続く「ドイッチェバンク・バッシング」を終了させ、6年間の長期的なリストラを経て、最終的に私たちの銀行の健全性を回復させねばならない」

DEUTSCHE BANK CRISIS: S&P downgrades Germany's largest bank putting global markets on edge | UK | News | Express.co.uk

 ほかの銀行がリストラを完了させている中で、これからリストラに取り組むドイツ銀行が危機的状況にあるのはもはやだれも否定できないでしょう。

 ギリシャ危機のころから問題になっているデリバティブ関連の損失は果たして解決されたのでしょうか。また、投資銀行部門の焦げ付きはみられないのでしょうか。

 現在はドイツ経済は良好とされていますが、景気の後退局面に突入すれば、金融セクターがかなりのダメージを追うという展開が予想できます。やはり、ユーロはまずいと言わざるを得ません。