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イタリアがユーロ圏離脱か? EU最悪の悪夢の到来 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 EUの終わりがいよいよ始まりました。

  というのも、イタリアに反EU政権が生まれる状況になってきたためです。
 「イタリアにラディカルな政権がもうすこしのところで誕生する。EU懐疑派の指導者マテオ・サルヴィニとルイジ・ディマイオは、新内閣結成のために「大きな進歩」を遂げたと明らかにした。これは、ブリュッセルにとっては困難を意味している。
 同盟の指導者であるマテオ・サルヴィニと五つ星運動の指導者のルイジ・ディマイオは、火曜日に、公式に二つのユーロ懐疑派政党の会談は成功に終わったと発表した。このニュースのために、英国が離脱した後のEUに更なる困難となるという恐怖が広まったのだ。
 合同文書の中で、二人の指導者は、「大きな進歩」がなされたこと、そして、木曜日の午後にもう一度、二つの政党の大臣ポストの調整を行うということを明らかにした。
 合同文書には次のように記されている。「マテオ・サルヴィニとルイジ・ディマイオは、イタリア議会で袈裟会談を行った。」
 「五つ星運動のスポークスマンであるヴィンセンツォ・スパダフォラと同盟の議会指導者であるジャンカルロ・ギオルゲッティも臨席していた。」
 「合同の政治綱領や未来の政府の優先事項を定義する際には肯定的な雰囲気である。」
 「今日の午後、異なる政府部門の将来を議論するために、二党の幹部の間での最初の会合が開かれることになっている。」
 共通の目的を持った両党の建設的な協力関係という観点から、首相と閣僚の構成に関しては大きな進歩が見られた。もうすぐ最終決定と政府の陣容が決定されるだろう。
 二党の指導者は共同声明を発表した。ルイジ・ディマイオはフェースブック上で次のように述べている。「私は喜びと幸せを隠すことができない。我々はイタリアの問題の解決を始めることができるのだ。」
 イタリアのセルジオ・マタレッラ大統領は、新政府の形成に向けて最後通牒を発したが、双方に、日曜日までに会談の成果を報告するように求めている。
 大統領府筋によれば、「彼等は日曜日までの時間を要求した。だから、日曜日には答えが出るだろう」とのことだ。
 水曜日まで両党指導者による首脳会談は実現しなかった。それはディマイオ代表が、サルヴィニ代表がベルルスコーニ元首相とパートナーシップを維持する限り合流できないとしていたためであった。
 月曜日には、サルヴィニ代表がセルジオ・マタレッラ大統領に、3月4日の総選挙以来続く政治的行き詰まりを終了させるために、内閣を組閣する権限を求めた。
 そして、水曜日には、五つ星運動の指導者が、最終的に、将来の選挙後の連立においてベルルスコーニ元首相の位置づけにに関してサルヴィニ代表に異論は唱えないことに同意した。
 シルヴィオ・ベルルスコーニもまた、五つ星運動と右派の同盟がもう一日反EU政権樹立のために努力するさいに、連立を妨げないと明言した。
「我々は反対しない。我々は偏見なしにこの現実を評価するだろう。そして、これは同盟の終わりではない」とベルルスコーニ元首相も述べている。
 3月の総選挙で33%の得票を獲得した五つ星運動のルイジ・ディマイオは、この乳y-すに次のように答えた。「責任感が行き渡っていてうれしい。これは重要な瞬間だ。」
 二党が最初に取り組む課題の一つは、2011年の年金改革法を破棄することになるだろう。この年金改革法によって、退職の年限が上昇し、さらに今後も上昇することになるためだ。経済学者は、この法案を破棄すれば、年間200億ユーロが必要になると述べている。しかし、反対者は、一般のイタリア人には不公正であると主張している。
 両党とも、イタリアの歳出を増加させるために、EUの財政規律に関して再交渉を望んでいる。五つ星運動は、イタリアのユーロ圏からの脱退を巡って住民投票を行うと公約に掲げている。しかし、同盟はユーロを「欠陥のある通貨」であるとし、政治的に実現可能になればすぐにユーロ圏から脱退することを望んでいる。
 イタリアにおける制度的な衝突を予期しているマタレッラ大統領は、木曜日に、EU当局とのいかなる対立も望まないと述べている。
 「ヨーロッパで自国だけで生きていけると考えることは、世論の前では、故意に誤魔化していることになる。」マタレッラ大統領は、EU首脳会談の席上で行った親EU的演説の中でこのようにのべた。
 ユーロに言及し、マタレッラ大統領は、「国際関係の中で具体的な錨になる通貨を我々は手にしている。この役割は一国の通貨では到底実現できないものだ」
 英国のユーロ懐疑派は、潜在的にはポピュリストの政府が主要EU構成国を支配することを歓迎している。
 保守党のEU離脱論者であるダニエル・カウチゼンスキーは、「これは、我々が知るEUの終わりの始まりだ。」と述べている。
 「EUは失敗した組織で、特にシリアの移民危機、ギリシャのユーロゾーン危機、それにスペインの失業している青年層に関しては失敗している。」
 「EUは官僚的で、選挙によって選ばれて居らず、時代遅れの組織だ」」

Italy news: EU's worst nightmare becomes reality as Italian eurosceptics join forces | World | News | Express.co.uk

 これで五つ星運動と同盟による反EU政権がイタリアに誕生することがほぼ確実になりました。どうも障害になっていたのがベルルスコーニ元首相の処遇で、ベルルスコーニ元首相が少し退くことで連立交渉がスムーズに進んでいるようです。

 正式な組閣は来週以降になりそうですが、これで、イタリアも反EU国になれば、ユーロ圏の将来も決して明るくはないはずです。