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地球の裏側から見たシリア紛争

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 まずは、この地図をじっとご覧ください。すると奇妙な符号が浮かび上がります。

  この地図の真ん中にあるのはバヌアツです。バヌアツの最近のニュースといえば、バヌアツに中国が軍事拠点を設置するというものでした。共同通信からです。
「10日付のオーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルドは、中国が南太平洋の島国バヌアツに軍事拠点を構築する計画をめぐり、両国が暫定的な協議を開始したと報じた。最終的には「バヌアツでの軍事基地の建設につながる可能性がある」という。
 報道によると、計画ではまず両国間で協定を結んだ上で、中国海軍の艦船が定期的にバヌアツに寄港し、燃料などを補給する拠点とする。その後、軍事的な役割を強化する。軍事基地が建設されれば、中国にとってアフリカ北東部ジブチに次ぐ、二つ目の海外基地になる。
 正式な提案はバヌアツ側に示されていないが、両国は暫定的な協議を行った。バヌアツには中国から多額のインフラ開発資金が流入している。中国のこうした動きについて、豪州は同盟関係にある米国や隣国ニュージーランドとともに懸念を持ちながら注視しているという。(2018/04/10-09:21)」

中国、南太平洋に軍事拠点=バヌアツと暫定協議-豪紙:時事ドットコム

 これに対して、バヌアツは中国との交渉そのものを否定しています。しかし、ビショップ豪外相は、ABCのラジオ番組で、バヌアツの当局者からは中国による正式な提案はないとの説明を受けたと述べたが、非公式な協議があったかどうかには触れていません。
さらに豪外相は、「バヌアツ政府はそのような提案はないとしているが、中国が世界中でインフラ投資活動を展開しているのは事実だ」とのべ、「バヌアツが豪州を戦略的パートナーと位置づけていると確信している」と締めくくりました。

バヌアツ、中国による軍事拠点構築に向け協議したとの報道を否定 | ロイター

 中国に軍事利用されるといううわさの高いダーウィンに続いて、東側にも人民解放軍の拠点ができれば、オーストラリアは本格的な安全保障上の危機を迎えることになります。これまで、バヌアツはオーストラリアの強い影響下にありましたが、中国の勢力下になれば、オーストラリア東部が直接的な軍事的脅威にさらされるためです。オーストラリアは大英連邦の構成国です。
 バヌアツのすぐ南には、ニューカレドニアがあります。この地域はヌーベルカレドニーともいいます。実は、フランスの海外領土なのです。
 さらに東には、フィジーがあります。フィジーも大英連邦に所属する国家です。しかし、このフィジーでは2006年から2014年まで軍政下にあり、この時期に中国からの投資が増大しています。現在は再び民政に移行していますが、中国の影響下に入る可能性が高い国と言えるでしょう。
 さらに、東には米国領サモアがあります。
 こうしてみると、中国の勢力圏に入るかもしれないバヌアツを大英連邦諸国とフランス海外領土、アメリカ領が取り囲んでいることがわかります。
 つまり、太平洋では米英仏⇔中国という対立図式が見られるのに対し、シリア紛争では、米英仏⇔シリア・ロシア・イランという対立図式が成立しています。つまり、アジアでも中東でも米英仏が一丸となって行動しているのです。
 今回のミサイル攻撃に関しては、トランプ大統領は短期に終了させたいのでしょうが、メンツをつぶされたプーチン大統領は黙っていないでしょう。今後、ロシア軍による軍事力の示威活動が予想されます。そうなれば、短期で終わる筈の紛争が予想以上に長期化することになるでしょう。
 なにより、今回のシリア紛争はロシアと中国を結託させる効果を持ちます。これは日本に取って大変厳しい事態になります。

 そして今回の米英仏枢軸の完成は、来たるべき第三次世界大戦の序章となることでしょう。