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習近平に命乞いをする金正恩

TALK-1 罪状認否(抜粋。控訴審)?命乞い(地獄の再審請求 -LIVE BLACK MASS武道館-)

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 実際のところ、ダメ元で提案した米朝首脳会談が実現する運びになってしまいました。そのためにアメリカと周辺国も一斉に動き出しています。

  ただ、今回の首脳会談を一番恐れているのは、金正恩その人でしょう。アメリカは何が何でも北朝鮮の非核化を求めているはずです。既に北欧で米朝首脳会談のための高官らによる会議は始まっているので、その意向は金正恩にも伝わっているはずです。

 金正恩には二つの選択肢があります。一つは、核兵器とミサイルを放棄することです。対外的には,この選択が問題解決の早道といえるでしょう。しかし、少なくとも北朝鮮から核が撤廃されたことが証明されるまで、制裁は継続するでしょう。それだけ国民の反感は増すはずです。さらに言えば、核兵器を断念するのですから、これまでの北朝鮮政府の主張とは全く逆コースに対して、北朝鮮国民が反発を感じるかもしれません。その場合、北朝鮮の治安が問題になります。

 もう一つの選択肢は、核の廃棄を唱えながら、執拗に核開発を継続することです。その場合は、急速にアメリカとの軍事的緊張が高まることでしょう。アメリカによる限定的な先制攻撃も射程に入ります。

 とすると、どちらの選択肢を選んでも、金正恩体制は苦境に陥るということになります。こう考えれば、今回の突然とも見える中国訪問の意図も理解出来るでしょう。

 そもそも、金正恩体制に移行してから、中国との関係はほとんど破談状態にありあmした。中国とのパイプ役であった張成沢や、自分の兄の金正男を殺害してしまっているためです。中国側も、北朝鮮に核の放棄を求めており、その要求は金正恩には呑めないものでした。この2年ぐらいの中朝関係を考えれば、金正恩はとても中国に訪問できる状態ではなかったのです。

 ですから、この段階での中朝接近はよほど差し迫った事情があったと考えるべきなのです。恐らくは、金正恩が、米朝首脳会談で自分が詰んでしまっていることにきがついたために,今回の中国訪問に赴いたと考えられます。

 今回の中国訪問が,突然のものであったのは、中国側が事前に何の発表も行っていないことからも、確認できます。金正恩が北京についてようやく訪問の事実が明らかになるというのは、中国側も対応に神経をとがらせているためでしょう。

 少なくとも、北朝鮮は今後の核開発・ミサイル開発は断念せざる得ないはずです。その次に問題になるのは、金王朝の存続です。まさにそのために、今回は金正恩が北京に赴いたのだと言えるでしょう。