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サウジのMBSの命運

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 サウジのMBSといえば、モハメド・ビン・サルマン皇太子をさします。彼が推進しようとしている改革は、非常に過激なものですが、日本ではあまり注目されていません。

  彼が敵としているのは、サウジアラビア原理主義勢力です。彼はムスリム同胞団の影響力を国内から根絶しようとしています。そして、おそらくは自国の極めて原理主義的傾向が強いワッハーブ派の勢力を削ごうとしているのです。彼等が小学校や中学校、それに高校や大学で説教を行うことを阻止しようとしています。

 スンニ派の本拠であるサウジアラビアで、イスラム原理主義の影響力を削ぐということは、彼は一線を越えたということです。そしてそのことを彼自身もよく知っているのです。

 もしMBSが勝利すれば、サウジアラビアは1979年以前の状態に復帰するでしょう。当時は、国内に映画館があり、女性が働き、近代化の過程にありました。もし、MBS失敗すれば、彼は殺害され、サウジという国家が一層保守的な国家となることでしょう。

 このMBSの国内原理主義勢力との戦いの行方は、国際的にも大きな意味を持ちます。皇太子が勝利すれば、サウジからの過激な原理主義団体への資金の流れはほとんどストップします。失敗すれば、テロ資金は地球に満ちあふれることでしょう。

 彼の「ビジョン2030」は、これまでに例を見ないほどの大規模な国家改造計画です。アメリカの助けにより、この改革に成功すれば、サウジアラビアは全く別の国になることでしょう。