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外貨準備の問題 韓国経済の危機(2)

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 サムスンへの過剰な依存に加えて、韓国経済のもう一つの弱点は外貨準備の少なさにあります。こう言うと意外に聞こえるかもしれません。

 なぜなら、公式発表では韓国は世界でも第9位の外貨備蓄を保持しているためです。

 朝鮮日報は次のように伝えています。

「【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が6日に発表した2月末現在の外貨準備高は3948億ドル(約41兆6870億円)で、前月末に比べ9億6000万ドル減少した。

 韓国の外貨準備高は昨年11月から3カ月連続で過去最高を更新していたが、4カ月ぶりの減少となった。

 ドル高の影響でユーロなどドル以外の外貨建て資産のドル換算額が目減りした。

 項目別では有価証券が3652億2000万ドルで前月比28億2000万ドル減少した。預金は197億3000万ドルで18億7000万ドル増加した。国際通貨基金IMF)特別引き出し権(SDR)は1000万ドル減の34億2000万ドルIMFリザーブポジションは前月と同じ16億3000万ドルだった。

 韓国の外貨準備高は1月末時点で世界9番目の規模だ。中国が3兆1615億ドルで最も多く、次いで日本(1兆2685億ドル)、スイス(8363億ドル)の順だった。」

韓国の外貨準備高 4カ月ぶり減少=ドル高影響-Chosun online 朝鮮日報

 4千億弱の有価証券が、為替が急変動する際に利用できるかというのが一つの問題です。実際に仕えるのは預金の197.3億ドル、SDRの34.2億ドル、それにIMFの16.3億ドルの合計247.8億ドルに過ぎません。

 1997年にIMFの救済金融を受ける直前、韓国の使用可能外貨準備高はようやく60億ドルでした。その後外貨準備高は39億ドルまで減っています。この数字から考えれば、一旦金融危機が再燃すれば、吹けば飛ぶほどの実弾しか所持していないことになります。

 しかも、韓国は為替の安定のために介入を繰り返しています。アメリカからこの種の慣行を非難され、そこに経済的な事件が重なれば、200億ドル程度では対処できないでしょう。

 そして、慰安婦問題等から日本との関係も最悪です。米韓同盟の解消により、韓国から本格的に外資が引き上げ始めれば、手の打ちようがないでしょう。

 韓国と同じように安全保障上の懸念がある台湾では、昨年の数字では4384億2600万ドルとなっています。

 安全保障が国家の繁栄の基盤であることは間違いありません。しかし、その安定の基盤を振り捨てて北朝鮮にすり寄ろうとしている文在寅政権は亡国の政権に他ならなかったことが明らかになることでしょう。