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トランプの本音を語る上院議員

第二次幻魔大戦 ハルマゲドン

 トランプ大統領との関係が深く、意見を代弁していると見られるのが、今回紹介するリンゼー・グラム上院議員です。彼の発言を聞く限りでは、トランプ大統領の本音は、北朝鮮よりもイスラエル防衛にあることは明らかでしょう。

  「リンゼー・グラム上院議員は、WSJのop-ed欄で、中東ではイランが勝利を収めつつあり、アメリカとその同盟国は劣勢に立たされていると述べた。
 「私は何度か中東に足を運んでいるが、長い間でも今回の訪問が最も意気消沈する訪問だった」と火曜日にウォール・ストリート・ジャーナル紙に述べている。「プーチンとアサドのおかげで、イランが勝利を収めつつある。スンニ派アラブ諸国イスラエルそれにアメリカは劣勢に立たされている
 グラム上院議員は、オバマ前大統領を、シリアのアサド大統領に対して十分な行動をとらず、米軍をイラクから撤退させてしまったと非難している。
 しかし、グラム上院議員は、「イラクにおけるイランの影響力の増大とロシアとイランによるシリアの支配にどのようにして戦えばいいのかわからない」とも述べている。
 「私が希望するのは、政府が、シリア領内に飛行禁止地域を含む戦略を立案し、難民が無事に帰国できるようにして、アメリカがアサドの反体制派への訓練を継続するということだ。我々はイランとロシアに対して、彼らが軍事作戦に出れば、悲惨な目に遭うということを明らかにしなければならない」と上院議員は主張している。
 グラム上院議員のコメントは、アメリカ・イランの関係がトランプ政権の下で悪化していることを受けてなされた。
 トランプ大統領は、オバマ時代のイランとその他の諸国との核合意を非難してきた。そして、この核合意を「これまでで最悪の交渉」と非難し、1月のイラン国内での暴動を起こした抗議者を賞賛した。
 アメリカの国連大使ニッキー・ハーレーも、国連安保理決議に反してイエメンの反対は勢力に武器を供給したとして、イランを非難した。
 グラム上院議員は、WSJの反論欄で、イスラエルとイランとの危険をはらんだ関係をあげ、イランがレバノン民兵組織ヒズボラを支援していることにも言及している。
 「イスラエル国防軍は、イランの助力を受けているヒズボラが高精度誘導兵器を製造していると我々に教えてくれた。レバノン暫定駐留軍の鼻元で、数千もの中距離ロケットやミサイルがあり、照準はイスラエルに向けられている。」と、グラムはレバノン暫定駐留軍に言及して、こう語った。「まもなく、これらのロケット基地を攻撃しなければならなくなるだろう。これらの基地は、ヒズボラが一般市民のアパートや学校、それに病院などと統合してしまっている
 「イスラエルの指導者たちは、イスラエル国家が自衛しなければならないとき、一般市民の死傷率が高くなることを懸念している」
 グラム上院議員は、南レバノンにおける軍事力の増大、レバノン暫定駐留軍の「失敗」、それにイスラエル向けのミサイル防衛向け資金の増加に関して公聴会を開催するつもりだと語っている。」

Graham after 'unnerving' visit to Middle East: 'Iran is winning' | TheHill

 アメリカ大使館をエルサレムに移したりというのは、アメリカ国内の勢力で言えば、キリスト教原理主義の主張を反映しています。キリスト教原理主義では、旧約聖書の比重が大きく、その意味でユダヤ教徒の関係もしばしば指摘されています。ですから、イスラエル防衛は宗教上の信念からも是認されるのです。
 トランプ大統領もこのキリスト教原理主義の主張に則った行動をとっているので、このままいけば、中東でハルマゲドンという流れになるでしょう。
 しかし、現在のアメリカの政治状況を見れば、そのまますぐに再び中東で戦争を遂行することは困難なようにも思えます。また、中国との対抗も気がかりな要素ではあります。すぐに戦争というわけではないにせよ、来たるべき第三次世界大戦には、中東地域が組み込まれているという言い方はできるでしょう。