イタリア総選挙の結果に怯えるドイツ
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たとえブラフにせよ、ドイツ国内からユーロ圏離脱の声が上がっていることは注意しておくべきでしょう。
「イタリア総選挙の結果はドイツに衝撃を与えている。イタリアでユーロに懐疑的な政党の支持が半数を超えたので、欧州議会の有力議員がドイツは「ユーロ圏」から離脱するべきだというのである。
最大の得票数を獲得した五つ星運動は、イタリアがユーロにとどまるか否かを決める国民投票を公約に掲げていた。
五つ星運動の党首ルイジ・ディマリオはすでにEUに対して対抗的な姿勢はとっていない。しかし、南部ヨーロッパ諸国の政策ブロックを形成しようとしている。
イタリアは長らくヨーロッパの安定性にとっての脅威であると考えられてきた。というのも、銀行の経営状態が思わしくなく、イタリアの政治的な不協和音が銀行に悪い影響を与えていたためだ。
ドイツのハンス・オラーフ・ヘンケル欧州議会議員は「イタリアの選挙の結果は、EUにとって、いやユーロにとって危機的だ」と述べている。
「全ての政治家は到底できないことをイタリアの有権者に約束してしまった」
「その結果が意味しているのは、現在の国家負債の増大、イタリア企業の競争力の減退、それに失業者の増大だ」
「しかし、ECBのマリオ・ドラギはより多くのユーロを発行するだろう」
「結局、ユーロ圏は北部から南部へ富を移転する理想的なメカニズムなのだ。だからこそ、ドイツがEUから離脱するべきなのだ」（以下略）」
イタリアは、ユーロは分の悪い取引だったと考えています。ですから、ユーロ圏からの離脱か、もしくはヨーロッパ南部に、たとえば東欧諸国よりもより多くの予算を振り向けるように要求しています。それが、ドイツ人にとっては我慢がならないのです。
選挙結果から見ても、北部は「同盟（旧北部同盟）」それに、南部は五つ星運動が圧倒しています。左派が勢力を維持しているのはフローレンスやボローニャといった一部地域に限定されています。現在のところ、同盟と五つ星運動がともに連立を組むことは予想されていませんが、今後はイタリアのユーロ脱退に向けた議論が進む可能性が高いといえます。
そうなれば、経済が低迷してるスペインも追従する可能性があります。逆にフランスはあまりにユーロに埋没しすぎたために、離脱に踏み切ることすらできないでしょう。
通貨だけでなく、移民問題もメルケル首相の方針には強い批判があります。今後もEU諸国はもめることは間違いなさそうです。
