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このままではアフリカは中国の天下になる

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 アフリカを歴訪した民主党上院議員の談話を紹介しましょう。

  「上院軍事委員会の幹部が、アフリカ旅行後、アフリカにおける中国の影響力の拡大に警鐘を発している。
 「アフリカでどこに行っても、中国人がいる。あるいは我々の背後をぴったり追尾している」と述べるのは民主党のジャック・リード上院議員だ。
 リード上院議員は先週ジブチソマリア、それにヨルダンを訪問し、木曜日にその外遊について記者に語っている。
 中国の最初のそして唯一の拠点であるジブチには、アメリカもアフリカ唯一となる恒常的な拠点を設けている。中国の拠点は、約二年間の建設作業の末、昨年8月に公式に開設された。
 さらに、中国はジブチに対して膨大な金額の資金を貸し付けており、北部ケニヤにも大規模な投資を行っていると上院議員は語っている。
 米国当局も、以前、アフリカにおける中国の影響力拡大を警告していた。米軍アフリカ軍司令のトーマス・ヴァルトハウザー将軍が、昨年、ジブチの基地は「作戦上、重大な警備上の懸念」があると述べている
 しかし、ヴァルトハウザー将軍は、この基地が「アフリカの安定における共有された利害に基づいて」中国と協力するチャンスも提供しているとのべている。
 木曜日には、リード上院議員は、中国軍基地と米軍基地の距離的な近さを懸念する声は聞こえなかったと述べた。
 しかし、中国のプレゼンスによって,米軍は、中国軍の所在と経済的利害がどこにあるのかと言ったこれまで考慮されなかった事柄について検討するように迫られていると上院議員は付け加えた。
 「中国は我々の動向を監視している。そして我々も彼等の動向をチェックしている。しかし、彼等がそこにいるからといって我々が萎縮しているという印象はない」と上院議員は述べた。
 彼はまた「限定された協力分野」もあり得るかもしれないと述べた。そして、「我々はそうした活動を無視するべきではないし、嫌うべきでもない」と付け加えた。
 リード上院議員は、中国のアフリカでの目標を,グローバルな影響力の確保と、世界的な覇権国家としてのアメリカを凌駕することであるとした
 「中国は世界中で認められたいのだ」と彼は述べた。
 中国に対抗するためにアメリカがアフリカで何をなすべきなのかと尋ねられると、上院議員は「我々は我々の国益が存在する場所に赴く必要がある」と答えた。
 「まず理解しておかねばならないのは、中国は要因の一つだということだ数年前までは、そんなことはなかった。我々は、他国で歓迎されることを望んでいる。中国を含むほかの国の影響力のために、無視され阻害されることは望んでいないのは確かだ。我々はアフリカにおける経済的政治的チャンスを維持したいと考えている」」

Top Armed Services Dem warns of China's influence after trip to Africa | TheHill

 アメリカの陸海空軍それに海兵隊の中で最も中国に融和的なのが陸軍です。ですから、ジブチ中国軍基地が気にならないという発言につながっているのでしょう。このような発言は、アメリカの太平洋軍司令が聞けば卒倒することでしょう。
 また、民主党議員ですから、極度に中国との対決を煽るような内容も含まれていません。
 ただ、それらのことを考慮した上でも、アメリカの民主党議員が中国に警鐘を鳴らしたという点は注目すべきだと考えられます。アフリカの現状は、このままでは世界は中国の天下になるということを予感させるものであったことが、中国に融和的な民主党議員ですら認めざるを得ないということだからです。