イランが核合意を放棄か

　イランもいよいよ煮詰まってきました。アメリカの制裁によって経済的に行き詰まり、国内に反対運動が起きると、それをアメリカに利用される有様です。そこで気になるのは、先日の事故です。

　ＡＦＰによれば、「イラン南西部ザグロス山脈（Zagros Mountains）で18日に同国のアセマン航空（Aseman Airlines）機が墜落した事故で、救助隊が20日、機体の残骸を発見した。同国革命防衛隊（Revolutionary Guards）の報道官が国営メディアに明らかにした。」とあります。
　事故を起こしたアセマン航空は安全基準に問題があるとして2016年12月に欧州委員会から欧州連合（EU）域内への乗り入れを禁止されています。

　次に紹介するニュースはその結果かも知れないのです。

 　「経済的な困難と主要銀行からの投資が滞っているために、イランは核合意を破棄するかもしれないとロイターが伝えている。
　大銀行は、イランのプロジェクトから遠ざかっていると言われる。それは2015年の核合意を破る可能性があると考えられているためだ。この核合意は、アメリカ、英国、フランス、中国、ドイツ、ロシアによって締結された。
　「もし合意に関する混乱と不確実さという政策が継続するならば、もし企業や銀行がイランと協力しないならば、我々にとって利益にならない合意にとどまることはできない」とイランの外相アッバス・アラキは述べている。
　トランプ大統領はオバマ時代の核合意を非難しているとされる。そして、合意から撤退すると恫喝している。先月、トランプ政権は核合意の一環の制裁を撤廃した。しかし、核を焦点としない制裁を新たに科している。
　トランプは、今回の措置は、イランの核合意の欠陥を修正するための「ヨーロッパの同盟国との合意を守るため」になされた。
　トランプは昨年末に、イラン政府に対して抗議活動を行う市民に話しかけ、共和党議員や一部の民主党議員から支持を獲得している。
　イランは、国内の厳しい経済状況に対してイラン国内の抗議運動を支持するアメリカを批判している。」

Iran threatens to pull out of nuclear deal | TheHill

　とにかく有無を言わせない経済制裁で、イランは追い詰められています。このまま経済制裁が続き、イランが行き詰まれば、戦争の危険が高まることになるでしょう。