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サウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子、アメリカに行く

 サウジアラビアの皇太子がワシントンなど米国の諸都市を訪問します。イスラエル筋の情報です。

  「サウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子は、来月、ワシントン、ボストン、サンフランシスコ、ニューヨーク、ヒューストンをめぐる1週間の米国ツアーを予定している。 彼は、昨年11月の腐敗防止パージに続いて、王国への事業投資を促進することを目指している。 32歳の王子はまた、国防相を務め、ドナルド・トランプの義理の息子で上級顧問のジャレッド・クシュナーにも近い。MBSとしばしば呼ばれる皇太子は、サウジ・ビジョン2030のブランドの下で、サウジアラビアの石油依存経済を多様化するための政策を推進している。また、今月末にイギリスとフランスを訪問する予定だ。サウジ検事総長は、昨年11月、腐敗罪でMBSが拘禁を命じた他の王子らや企業の経営者から少なくとも10700万ドル以上の資金が調達されたと発表している。」

 サウジも石油依存を脱却しなければ、後がないことはよくわかっているのでしょう。ですから、今のうちにサウジ・アラムコ社を上場し、その資金で新たな事業を始める計画なのです。
 ただ、サウジアラビアの欠点は、サウジアラビア国民が国家への帰属意識が薄く、寧ろスンニ派イスラム教徒としての意識が強いことです。国家への求心力がないので、人材育成ができないのです。であるからこそ、一層国家の基本教義であるワッハーブ派に依存することになります。しかし、そうなるとイスラム原理主義の揺籃とはなりえても、国家の近代化からはさらに遠ざかることになります。
 それはともかく、ティラーソン国務長官は、レバノン、イエメン、カタールの問題に関してもうすこし穏健な政策を採るように求めています。トランプ大統領もイエメンへの食品・薬品の搬入を認めるようにツイッターで書き込んでいるほどです。
 こうした問題が山積している以上、今回の訪米でもMBSは米国・サウジ関係の強化を謳うことはあっても、特定の問題が進展する可能性はなさそうです。