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中国は原子力潜水艦のAI化を進める

 以前のエントリーで中国海軍の問題、特に潜水艦の問題を指摘しましたが、相変わらず中国は明後日の方向に進化しているようです。

 サウス・チャイナ・モーニング・ポストは次のように報じています。

「中国は、原子力潜水艦の頑丈な古いコンピュータシステムを人工知能で更新し、指揮官の潜在的な思考能力を向上させることに取り組んでいる。

 AIを増強した潜水艦を搭載した潜水艦は、世界の海の戦闘で中国の大海軍を支配するだけでなく、AI技術の応用を新たなレベルに押し上げるだろうと、研究者が匿名を条件に語っている。

「潜水艦には巨大な破壊力がありますが、その脳は実際には非常に小さいのです」と研究員は述べている。

 原子力潜水艦は、運用にあたっては乗組員の技能、経験、効率に依存するが、近代的な戦争の要求により、自動操縦すら導入される可能性がある。

 例えば、潜水艦の乗組員の100〜300人が数ヶ月間深く暗い水の中でキャニスター内に一緒にとどまることを余儀なくされた場合、上昇するストレスレベルは指揮官の意思決定力に影響を及ぼし、悪い判断につながる可能性がある。

同氏の調査によると、「独自の考え方」を持つAI意思決定支援システムは、司令官の作業負荷と精神的負担を軽減するとのことだ。(以下略)」

China’s plan to use artificial intelligence to boost the thinking skills of nuclear submarine commanders | South China Morning Post

 確かに、AIを導入して自動操縦が可能になれば乗組員も相当数削減できるでしょう。しかし、潜水艦で重要なのは乗組員のストレスよりも、むしろ静粛性にあるはずです。

 とするなら、このニュースの背後にあるのは、人民解放軍海軍の潜水艦の搭乗員を志望する兵員が少ないということなのかもしれません。人で部足を解消するためにAIを使うというのであれば理解できますが、不測の事態が生じた場合、AIでどこまで対処できるのでしょうか。むしろパニックを起こして危険な気もします。