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身構えるロシア

 少なくともレトリックの上では,トランプ政権は北朝鮮攻撃をあきらめていません。そのことが、ロシアを強く刺激しているようです。

 ニューズウィークからです。

北朝鮮に対する原油供給の全面禁止などアメリカが求める制裁強化策は、世界規模の紛争を引き起こす恐れがあると、駐北朝鮮ロシア大使が警告した。

ロシアのアレクサンドル・マツェゴラ大使は1月31日、ロシア国営メディアのインタビューで、核・ミサイル実験を繰り返す北朝鮮が国際社会で孤立し、アメリカ主導による「最大限の圧力」にさらされたことで、ロシアの国家安全保障が脅かされていると言った。

北朝鮮政策でアメリカと対立するロシアと中国は昨年12月、北朝鮮に対する国連安保理の追加制裁決議に賛成したが、制裁が行き過ぎれば北朝鮮は宣戦布告とみなすだろうと、マツェゴラは言った。

 『原油と石油精製品の輸出を止めることは北朝鮮にとって全面禁輸を意味する。そうなれば宣戦布告とみなし、あらゆる自衛的措置を取ると、北朝鮮の政府高官は繰り返し発言している』と、マツェゴラはロシア国営メディア、スプートニクに言った。

昨年12月の追加制裁により、北朝鮮への原油や石油精製品の輸出は1月から約90%削減された。老朽化したパイプラインを通じて中国から送られる54万トンの原油と、中国やロシアなどから供給される6万トンの石油精製品に制限される。人口2500万人の北朝鮮にとってそれは「微々たる量」でしかなく、北朝鮮の住民はすでにガソリンやディーゼル燃料の深刻な不足に苦しんでいることから、これ以上供給を減らすべきではない、とマツェゴラは言った。(以下略)」

北朝鮮を戦争に駆り立てるトランプに怯え始めたロシア | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 図らずも、ロシアが北朝鮮の背後存在であることを暴露してしまっています。ここに来て対北朝鮮制裁に反対の姿勢を見せるようになったのは、対米関係が改善せず、北朝鮮との安定した関係の維持を望んでおり、さらには、あわよくば、北朝鮮を中東のイランのように飼い慣らしたいという欲望があるのでしょう。

 もうすこし付け加えるならば、北朝鮮の出稼ぎ労働者をもうすこし使用したいという希望もあるとみられます。

 とはいえ、アメリカが北朝鮮を攻撃した場合、ロシアがそれに対して反撃するかといえば疑問でしょう。寧ろその混乱に乗じて北朝鮮を逆に軍事占領する可能性の方が高いように思います。北朝鮮は中国に対する牽制としても使うことができるというのが、ロシアにとって北朝鮮が手放せないもう一つの理由と考えられます。