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イランで反政府デモ拡大

 非常に興味深いニュースです。

時事通信からです。

「【カイロ時事】イランで物価の高騰や汚職などに抗議する反政府デモが徐々に拡大し、各都市に波及している。保守穏健派のロウハニ大統領は2015年、欧米など主要国との核合意で制裁解除を実現させたが、市民には恩恵が行き渡っていないという不満も強い。抗議行動がさらに激化すれば、ロウハニ政権が掲げる改革や国際協調路線にも影響が出る可能性がある。
 報道によると、反政府デモは28日、イラン第2の都市でイスラムシーア派の聖地でもある北東部マシャドで始まり、50人以上が拘束された。29日には首都テヘランや首都南方の聖地コム、11月に大地震の被害に遭った西部ケルマンシャーなど各地に広がった。ケルマンシャーでは治安当局が放水や催涙ガスで強制排除したとの情報もある。
 インターネット交流サイト(SNS)に投稿された映像では、街頭に市民が大挙して繰り出し、「独裁者に死を」「政治犯を釈放せよ」「自由か死か」と叫んだ。また、イランが中東各国への関与を強めることに反発し、「他の国より、イラン国民の生活を考えろ」と批判の声も上がった。
 治安当局の監視や規制が厳しいイランで、こうした反政府デモは異例。ロイター通信は、09年に保守強硬派アハマディネジャド大統領が再選を目指した選挙直後、改革派陣営が不正を訴えた抗議行動以来の規模と伝えている。」

イランで反政府デモ拡大=経済難に不満、参加者拘束も:時事ドットコム

 以前にイランは、公安機関が強い力を持つ全体主義国家です。ですから、反体制派の行動は徹底的に壊滅させられます。政治犯を収容する監獄としては、エヴィーン監獄などが有名です。

 治安機関が強い力を持つ国で、反体制派の活動がここまで表沙汰になることはほとんどないのです。しかし、お断りしておけば、イラン革命以降、こうしたイラン国内の動揺は何度かみられましたので、今回が初めてというわけではありません。

 しかし、トランプ大統領エルサレムイスラエルの首都として認定したことで、否応なしに中東のイスラム諸国とアメリカの関係の緊張は高まっています。特に、これまでアメリカと何度も対立してきたイランではその傾向が顕著です。

 にもかかわらず、反体制派が活動し始めたと言うことは、その反体制派の活動を事実上黙認する勢力がいる。つまり、一部の聖職者と情報機関が裏から指導していると考えるべきでしょう。まだ、もうすこし情報が必要ですが、実に興味深い動きです。