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インドの海洋大国化

 率直に言って、米中開戦の可能性よりも、中印開戦、印パ開戦の方がはるかに可能性が高いように思います。

 NHKからです。

「インド海軍は、インド洋への海洋進出を強める中国を念頭に、新たに原子力潜水艦を就航させるなど、海軍の戦力を大幅に強化する計画を明らかにしました。

インド海軍は、今月、レーダーに探知されにくいステルス性能を備えた新型潜水艦1隻を就航させ、これに合わせて海上交通路=シーレーンの要衝であるインド洋での警戒・監視態勢を強化するため海軍の艦船の新たな配備計画を明らかにしました。

それによりますと、2020年までに現在の空母1隻態勢を2隻態勢にするほか、今回就航した潜水艦の同じ型を5隻追加し、さらにフランスの協力を得て、原子力潜水艦6隻を新たに建造し海軍の戦力を大幅に強化するとしています。

インド洋では、中国の潜水艦が、海賊対策を理由に活発に活動しているとみられるほか、ことし6月以降、国境付近の道路建設をめぐってインドと中国の両軍が2か月以上にわたってにらみ合いを続けた際にも中国の艦船14隻がインド洋に姿を現すなど、軍事的圧力ともとれる動きをみせています。

インド洋の安全保障環境をめぐっては、日本やアメリカが提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の中で中国軍の動きを念頭にインドとの緊密な連携を求めています。

インド海軍のランバ参謀長は会見で「各国がインド海軍に求める役割はわかっている」と述べて、戦力強化を急ぐ考えを示しました。」

インド 中国念頭に海軍戦力を大幅強化へ | NHKニュース

 インドは米中衝突の際の重要な要素として組み込まれているとも言えますが、それ以前に中印の対立には厳しいものがあります。この記事にもあるように、ブータンでの軍事衝突寸前の状態、パキスタンカシミール回廊など、中印衝突の原因は数えきれません。

 ここでは、海軍が取りあげられていますが、「中国なき戦後」を考えるためには、マンパワーのある陸軍国が欠かせません。日本やアメリカが戦争でぼろぼろになった中国を管理するという発想はないでしょうから、その役割はインドのものということになります。

 インドに大国化願望がないとは言いません。しかし、民主主義体制を維持しており、経済成長も大きく期待出来ます。それに対して、はっきりとした帝国主義的願望をあらわにしている中国が、その野望を断念するとは考えられません。特に、中国のような共産党独裁体制の下では、環境問題の解決はほぼ絶望的です。インドも、事情は同様ですが、それは、日本が協力することも出来るでしょう。経済的にあかるいのは、インドであり、暗いのは中国と言えます。

 そして、「自由で開かれたインド太平洋戦略」の要となる国家なのですから、今後の動向にはより一層注目しておく必要があると思います。