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ティラーソンの運命 あるいはドーター・コンプレックスのトランプ

 当初は、ティラーソンもトランプの流儀を理解し始めたと考えていたのですが、今度はトランプの方がしびれを切らしたというところでしょう。

  「レックス・ティラーソンの国務省での日々ももうわずかなようです。
 ホワイトハウス国務長官を、現在のCIA長官であるマイク・ポンペオに交代させるという報道が複数見られた後、ティラーソン国務長官の今後に関する様々な推測がなされました。
 ホワイトハウスは、この報道を否定せず、トランプ大統領が現在もティラーソン国務長官を信頼しているかという質問には答えませんでした。
 ホワイトハウスの報道官サラ・ハッカビー・サンダースは、「大統領が誰かの信任を失った場合、その人物は政権内に留まることはできない」と述べました。
 サンダースは後に、「現在の所、個人的な声明はない」と付け加えました。
 木曜日始めに報道について尋ねられると、トランプ大統領は「レックスは政権にいる」と答えるだけでした。
 国務省のスポークスマンのヘザー・ノイアートは、もっとはっきりと否定しました。ノイアートは、記者に、ホワイトハウスの主席補佐官のジョン・ケリーがティラーソンの副官に報道は無視するようにと電話したことを明らかにしました。ノイアートは、ワシントンでは良くあることだと伝えようとしました。
 ノイアートは、ティラーソンの木曜日のホワイトハウス訪問について説明しました。その際にトランプのバーレーン皇太子との対談に同席しました。そして、月曜日からはヨーロッパ訪問にでることを明らかにしました。
” 「国務長官は以前にもこうした話を耳にしている」と彼女は述べました。「長官は自分の仕事をするだけです」
 木曜日はティラーソンが最も侮辱された日でした。しかし、国務長官は、早期辞任という噂が出回っていたにも関わらず、職務を何とか果たすことができました。
 数日前、政権内部でのティラーソンの株は上昇しているように見えました。そのために、少なくとも1年は務めるのではないかと思われていたのです。
 ティラーソンは、トランプ大統領の12日間のアジア歴訪には全て同行しました。さらに、先週の月曜日には,珍しく、ホワイトハウスのブリーフィングルームで、北朝鮮テロ支援国家の指定を行ったことを明らかにしました。
 しかし、最近では元エクソンモービルのCEOがもうすぐ辞任するという報道があふれていました。「レグジット」と呼ばれていたほどです。
 ティラーソンが、年末までに、更迭されるとすれば、アメリカ史上最も在任期間の短い国務長官になります。
 ホワイトハウスは、今後数週間でポンペオCIA長官を横滑りさせると見られています。そして上院議委員のトム・コットンがCIA長官に就任すると複数のメディアが伝えています。
 しかし、ティラーソン辞任を最初に報道したニューヨークタイムズによれば、トランプ大統領は、この計画を明らかにしていません。ポンペオはトランプ政権の中で尤も忠実な閣僚の一人として知られています。それに対して、ティラーソンはトランプと人事や政策で対立してきました。
 コットン上院議員トランプ大統領外交政策アプローチの強力な支持者でした。
 ホワイトハウス筋によるとする報道は、ティラーソンに恥をかかせて辞任臭い子もようとしているように見えます。
 トランプ大統領とティラーソン国務長官の数カ月にわたる緊張の高まりが、国務長官を実質的に無力な状態に追い込んだのです
 大統領は、カタールとその他の湾岸諸国との地域紛争、イランの核開発、北朝鮮政策の点でトランプ大統領と対立してきました。
 ティラーソンとホワイトハウスは、国務省人事でも対立してきました。そのために多くの政治任用ポストが充足されていません。
 今週のインドでのグローバル・アントルプレナーシップ・サミットへの国務省使節団にイヴァンカ・トランプが加わることをティラーソンは断り、このことがホワイトハウスを苛立たせました。
 トランプ・ティラーソンの関係は、10月以来最低の状況にあります。10月にはNBCニュースが、ティラーソンが大統領を「馬鹿者(moron)」と呼んだことを報じています。
 国務省は後にこの報道を否定しています。そして、ティラーソンはトランプ大統領との関係を守ることを余儀なくされました。
 トランプ大統領は後にティラーソンにIQテストで勝負しようと持ちかけましたが、後に信任していることを明らかにしました。
 この事件はトランプ大統領とティラーソン国務長官の距離を明るみに出しました。そして、世界の指導者に対して、ティラーソン国務長官ホワイトハウスで影響力を持たないこと、そして大統領からの信任を得られていないことを示したのです。
 多くの民主党員と職業外交官は、外交問題に関して穏健派とみられていたティラーソンがトランプ大統領にたいするチェック機能を果たしてくれると期待していました。
 その代わりに、彼らは予算削減と国務長官が推進しようとした組織改編に直面したのです。そのために国務省は士気の低下を招きました。
 「経営という観点からは、ティラーソン国務長官は,国務省にとって災難であった」と元国務省職員のイアン・ゴールドバーグは述べています。さらに「後任が誰になってもこれほど悪くなることは想像しがたい」と付け加えています。
 主要な共和党議員は、ホワイトハウスのティラーソン更迭の動きを歓迎していません。しかし、国務長官が職務に留まるべきだという議員もほとんどいません。
 上院外交委員会のボブ・コーカー上院議員は、この更迭計画を「いんちき」と呼んでいます。木曜日にはコーカー上院議員はティラーソンと長時間会談しています。
 「それは不正確だ」とコーカー上院議員は述べています。
 下院外交委員会のエド・ロイス下院議員のスポークスマンであるコリー・フリッツは、ティラーソンを「北朝鮮とイランの虚位に対応する最も重要なパートナー」と呼んでいます。
 「彼の辞任は議論されていない」と彼は語りました。」

Tillerson under pressure after White House plan leaks | TheHill

 正直言って,この時期にティラーソン辞任の話題がホワイトハウスから出ていることに当惑を覚えます。今回は、ティラーソンがイヴァンカを外交使節の一員に含めなかったことが、一番大きな原因であるように思えてなりません。

 結局、トランプ大統領はドーター・コンプレックスなのです。娘には,頭が上がらないのですよ。それが、今回の辞任騒動の背後にあると思います。