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河野太郎VSラブロフ外相

 なかなか良い取り合わせです。河野家といえば、祖父の河野太郎がロシアびいき、父の河野洋平が中国びいき、そして、その子供の河野太郎がアメリカびいきという構図になっています。現在のところ、この三人の中では太郎が一番すわりがよいように見えますね。

  「日本の河野太郎外相は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相に、北朝鮮問題に関して、ロシアには果たすべき重大な役割があると語りました。
 そのまえに、欧州委員会の外交部局が,北朝鮮が攻撃対象にしていると信じられている世界中の15の都市とその他の攻撃目標を特定していました。
 それらは全て,アメリカ、韓国、それに太平洋における米国領にあります。
 しかし、ラブロフ外相は、日本が、イージス・アショアを含む日本側のミサイル防衛計画に懸念を表明しました。
 ラブロフ外相は、モスクワの懸念が、イージス・アショアシステムがトマホークミサイルの発射に採用されることにあり、米ソの軍縮協定の違反に当たると警告しました。
 それに対して,河野外相は、この措置は北朝鮮に対抗することを唯一の目標としており、ロシアと日本との関係に脅威を与えるものではないと反論しました。
 これに対して,ラブロフ外相は次のように答えました。「我々の現在の課題は、我々の接触を接触にとどめるのではなく、現実的な成果を上げることだ。そうすれば、両国関係は全く新しい水準に達するであろう。今日の訪問でそうすることは可能だと考える」さらに続けて、「北朝鮮とのいかなるシナリオも破滅的な帰結をもたらすだろう」とラブロフ外相は述べました。
 ラブロフ外相と河野外相は、さらに、北方領土に関する経済開発計画について議論しました。
 両者は、2018年に安倍首相がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談することで合意しました。
 河野外相は、ラブロフ外相に、サミットに先立って訪日するように求めました。(以下略)」

World War 3: Japan slapped down by Kremlin | World | News | Express.co.uk

 中国にせよ、ロシアにせよ、ミサイル防衛システムがよほど気に入らないのでしょう。そもそも日本とロシアの間には平和条約もないのですから、米ロの軍縮協議の話を持ち出されても困るだけです。

 ただ、残念ながら、ロシアの方が日本の状況を良く把握しているようにも見えます。

産経新聞を引用します。

「 産経新聞社とFNNの合同世論調査では、北朝鮮弾道ミサイルの発射元をたたく敵基地攻撃能力について「保有すべきだ」が53・8%と「保有すべきでない」の38・2%を上回った。安倍晋三首相は「現時点で具体的な検討を行う予定はない」と慎重だが、本格的な検討へ世論の素地は整いつつある。

 調査では、北朝鮮の動向に「脅威を感じる」との回答が84・7%に上り、米朝の軍事衝突にも77・0%が懸念を示した。弾道ミサイル防衛態勢の強化にも68・0%が賛成した。

 敵基地攻撃能力を保有すべきだとの回答は、支持政党を問わず一定割合を占めている。公明党山口那津男代表らが慎重姿勢を示しているが、調査では公明党支持層の47・2%が保有に賛成し、反対の36・1%を上回った。民進、共産両党の支持層は反対派が賛成派を上回ったが、それでも賛成派が民進党42・2%、共産党40・0%だった。

 非核三原則の見直しに関しては、「見直しを議論すべきではない」が53・7%と「議論すべきだ」の43・2%を上回った。

 年代別にみると、高齢層ほど見直し議論に積極的という傾向が出た。「議論すべきだ」との回答は、男性では60代以上が最多の51・4%で、最少は30代の37・0%。女性は60代以上が最多の46・4%で、10、20代の31・3%が最少だった。

 一方、日本の核兵器に関する設問では、79・1%が「保有すべきではない」と否定的だった。」

【産経・FNN合同世論調査】敵基地攻撃能力保有、賛成派が上回る 各党支持層別でも一定割合が賛成 - 産経ニュース

 そして、防衛省巡航ミサイルの採用には前向きです。

「 政府は北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射や核開発継続を受け、日米同盟の対処能力を強化するため、巡航ミサイルの将来的な導入に向けた本格検討に入った。北朝鮮の脅威は新たな段階になったとして、発射拠点を巡航ミサイルなどにより破壊する「敵基地攻撃能力」の保有を目指す。早ければ、来年度予算案に調査費などを計上したい意向だ。政府関係者が5日、明らかにした。

 巡航ミサイルは米国製「トマホーク」の導入を想定日本海上から北朝鮮全域を射程に収め、低空飛行するためレーダーに捕捉されにくく、目標を精密に攻撃する特徴がある。4月の米国のシリア攻撃にも使われた。

 海上自衛隊イージス艦への搭載が有力だ。

 防衛省筋は、これまで米側は巡航ミサイルを日本が保有することに慎重だったが、トランプ政権下、朝鮮半島情勢の深刻化を受けて態度を軟化させていると指摘。日本政府関係者は「来年度予算に調査費などを反映させたい」としている。」

日本政府、トマホーク導入検討 海上自衛隊のイージス艦搭載有力(1/2ページ) - 産経ニュース

 ロシアから見れば、北朝鮮を口実に、日本はミサイル防衛はおろか敵基地攻撃能力の向上を図っているように見えます。敵基地攻撃の対象にウラジオストックが入らないという保証がないことは当然のことでしょう。

 ただ、日本の場合は中韓関係での韓国のように,ロシアに対して従属的な立場にはありません。ここは「北朝鮮対策ですから」の一言で突っぱねるしかないでしょう。

 そこで,改めて問題になるのは、米中衝突の際に、どのような立場を取るのかということです。中国に組みするのか、アメリカに与するのか、あるいは、様子見を決め込むのか、そのそれぞれの場合で、極東における情勢は全く変わることになります。

 それを見込んだ上で、ロシアとの繊細な外交が期待されるところです。