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来年の予測 北朝鮮による韓国の併合

 韓国による北朝鮮の併合ではありません。その逆です。

  ミンスキー・モーメントという言葉があります。簡単に説明すれば、次のようになります。

「過剰な固定資本形成は、最終的には生産設備の稼働率の大幅な低下、あるいは投資のインカム(配当や賃料などの)リターンの低下を招き、資産価格が下落に転じる局面が到来する。時価評価した資産価値が低下する一方、債務はキャッシュで返済しない限り減少しないので、企業や家計の時価ベース自己資本(純資産)の減少が始まる。つまり評価損失の発生である。

その損失増加を食い止めるために資産の売却が始まれば、同様の状態にある他の債務者も売り急ぐので、売りが売りを呼んで資産価格の急落となり、債務超過となった企業や家計は債務の返済が不能となる。その結果、銀行をはじめ信用供与者の不良債権が急増し、信用収縮、債務者の破綻、失業者の増加というバブル崩壊過程に特有の現象が続くことになる。」

コラム:中国バブルの「ミンスキーモーメント」=竹中正治氏 | ロイター

 つまりは資産の価格が下がると、負債を返済するために資産を売却する。そうするとほかの人や法人も資産売却をはかるようになり、資産価格下落のスパイラルが生じるということです。

 ただ、中国に関しては、不動産価格は今のところは厳密に管理されています。ですので、不動産価格が下がりそうになると国が政策面で直接介入しているので、なかなか資産価格が下落しないのです。

 それに対して、韓国はもう破産寸前なのです。中央日報の記事を紹介します。

 ミンスキー・モーメントとは長期にわたり累積した負債の重みに経済が耐えられなくなる時に訪れる。韓国の家計負債の重さはどれほどか。数字で見ると心配になるほどだ。今年8月基準で1400兆ウォン(約141兆円)を超えた。GDP比で95.6%だ。経済協力開発機構OECD)のうち7番目に高い。可処分所得に対する比率も178.9%と、OECDで9番目だ。ペースも速い。2005年以降、年平均8.2%ずつ増えた。所得増加ペースをはるかに上回る。質も良くない。3カ所以上の金融機関から借りている多重債務者が400万人にのぼる。負債は臨界点を過ぎれば雪だるま式に膨らむ属性がある。すでに韓国の家計負債は臨界点を過ぎているのかもしれない。 

  なぜこのようになったのか。もちろん個人の問題もあるが、大きく見ると国の責任だ。誤った政治が負債を膨らませ、まずい政策が家計を厳しくし、銀行の高い敷居が経済弱者を私債市場に向かわせる。不足する住居・教育・医療福祉は健全な中産層に負債を抱え込ませる。その結果として累積した負債が家計の負債だ。最近の言葉を借りれば金融積弊だ。 

  振り返ってみると、どの政府も責任を免れない。通貨危機直後の98年の家計の負債は183兆ウォンだった。GDPの50%を下回っていた。それが2002年には464兆ウォンに急増した。GDPの70%を超えた。警鐘は15年前に鳴っていた。しかしどの政権も積弊をさらに積み上げただけで清算できなかった。「お金を借りて家を買おう」という朴槿恵(パク・クネ)政権はもちろん、「お金を借りて消費しようと」とクレジットカードの使用を煽った金大中(キム・デジュン)政権、「不動産規制」で住居価格だけを急騰させた盧武鉉ノ・ムヒョン」政権、すべてが金融積弊の共犯ということだ。 

【時視各角】「ミンスキー・モーメント」 中国より先に韓国にくる | Joongang Ilbo | 中央日報

 危ない、危ないとは言われていましたが、これほどまでに危ないとは私も想像していませんでした。日本とのスワップ協定も見通しがつかない中で、来年にもドル不足で区部が回らなくなるでしょう。そうなれば、韓国は破産することになります。

 北朝鮮にしろ、決して裕福ではないのですが、北朝鮮主導の平和裏の朝鮮半島統一という事態につながる可能性が強いと考えられます。金正恩が退陣し、後継の政治指導者が担当するならあり得るシナリオだと思います。