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プーチン、北朝鮮政策を変更か

 これまで、どちらかと言えば北朝鮮よりだったロシアが微妙に政策を変更しています。これまでの論調では、「核保有国としての北朝鮮を認める」というスタンスだったのが、北朝鮮に対して強硬な姿勢に転換しつつあるのです。

 トランプ・プーチンの首脳会談で北朝鮮問題が解決する可能性が生まれてきました。

 ブルームバーグからです。

北朝鮮が米国を長距離ミサイルで攻撃できるようになるまでにはまだ2-3年かかる。ロシア外務省のミハイル・ウリヤノフ不拡散・軍備管理局長はこう述べ、北朝鮮の核開発プログラムを外交努力で止めるチャンスはあるとの見方を示した。

 ウリヤノフ局長はモスクワでのインタビューで、「政治的解決を見いだせなければ」北朝鮮が向こう2-3年で大陸間弾道ミサイルを保持することになるのは「不可避」だとし、「今プログラムをやめさせる必要がある。制裁が機能するのは4-5年だけだ」と語った。

 また、ロシアは北朝鮮を核保有国として「決して認めない」とし、同国の立場は米国と「近い」とも発言。ロシアと中国は危機解決のための交渉再開に向け、北朝鮮が「少なくとも数カ月」ミサイル試射や核実験をやめると同時に米国および韓国も合同軍事演習をストップする「二重凍結」を促したとも説明した。

  アジア歴訪中のトランプ米大統領は今週開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に際し、ロシアのプーチン大統領と会談する可能性がある。実現すれば、朝鮮半島情勢は議題に上る公算が大きい。」

北朝鮮、米攻撃可能なミサイル開発まで2-3年-ロシア外務省当局者 - Bloomberg

 これで、ロシアが北朝鮮に詰め腹を切らせる可能性が高くなってきました。つまり、ロシアの圧力で北朝鮮に核開発を断念させるというのです。

 しかし、金一族が核開発に取り組んできた執念を考えると、これは北朝鮮内部の政変につながる可能性があります。ただ、アメリカも、ロシアも政変後の北朝鮮の体制を認めると言い始めれば、金正恩は亡命するしか道はなくなるでしょう。後継の問題もありますが、さしあたりの課題は解決できる可能性が生まれてきました。

 

追記(11月8日)ロイターに次のような記事がありました。

「[モスクワ 8日 ロイター] - ロシアのリャブコフ外務次官は8日、同国政府は北朝鮮への完全禁輸を支持したことはないとの見解を示した。ロシア通信(RIA)が報じた。

外務次官はさらに、米国が経済制裁ですべての問題を解決しようとしていることは極めて憂慮すべきだと述べ、北朝鮮を巡る危機は米ロ首脳の会談で取り上げられるだろうとの見方を提示した。

会談がいつ実現するかは不明だという。

ロシア政府高官らは、今週ベトナムで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)のフォーラムで両首脳が会談するとしていた。」

ロシア、北朝鮮への完全禁輸を支持したことない―外務次官=RIA | ロイター

 これは、ロシアが北朝鮮との間で貿易を続けるという宣言ですね。おそらくは、北朝鮮の出稼ぎ労働者も本国に帰す気はないのでしょう。この場合は、プーチン大統領の側が譲歩を迫られることになります。となると、プーチンから金正恩に直接メッセージが発せられるということになるのではないでしょうか。