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ファースト・ドーターへの気遣い

 忘れてはならないのは、現在が第三次世界大戦への幕が上がりつつある時代だと言うことです。まだ、始まってはいません。しかし、幕が徐々に上がっている,そんな状況です。しかも、日本もその劇(第三次世界大戦)に、観客としてではなく、役者としてでる可能性が濃厚です。ですから、ここで外交を間違えると、劇の終わりには舞台から消えている可能性も否定できません。外交に細心の注意を払わねばならない時期なのです。

 そこで、先日に来日したイヴァンカさんへの対応に、やり過ぎではないかという議論もあるようです。

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 まずは日本のおもてなしを振り返っておきましょう。

 時事通信から引用します。

「 トランプ米大統領に先立って初来日した長女のイバンカ大統領補佐官(36)が大きな注目を浴びている。ファッションや食事、宿泊先など動静が細かく報じられ、安倍晋三首相も3日夜、異例の夕食会でもてなした。目を引く美貌とともに「大統領の政策決定に影響を持つ」(外交筋)といわれる強力な存在感が厚遇の背景にあるようだ。

 180センチという長身を生かし、10代の頃からモデルとして活躍。父親と同じペンシルベニア大ウォートン校を最優秀の成績で卒業した。2007年には自身の名を冠したファッションブランドを立ち上げている。
 トランプ氏の「秘密兵器」(米メディア)の異名を持ち、昨年11月の大統領選直後にニューヨークで行われた同氏と安倍首相との会談に夫のクシュナー上級顧問と同席。「ファーストドーター(娘)」として首脳外交も支える。4月には、米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。(後略)」

イバンカ氏、注目の的=安倍首相も会食でおもてなし:時事ドットコム

 単なる補佐官であれば、日本の首相が対応するのはやり過ぎということになるのかも知れません。しかし、「大統領の娘を邪険にはできない」という常識が働いたとみるべきでしょう。

 そこで思い出していただきたいのは,ドイツの対応です。CNNから引用します。

「(CNN) トランプ米大統領の娘のイバンカ・トランプ氏がメルケル独首相の招きでドイツを訪れ、ベルリンで25日に開かれた女性の活躍をテーマとするパネルディスカッションに出席した。女性の社会進出を後押しする大統領として父を印象付けようとしたイバンカ氏だが、聴衆からはブーイングも浴びせられた

ドイツ経済誌の編集者は、米大統領の娘で補佐官というイバンカ氏の立場について、「あなたは誰を代表しているのですか。自分の父親、米国民、それとも自分のビジネスですか」という質問を投げかけた。

これに対してイバンカ氏は、「もちろん後者ではありません。私はこの役職についてあまりよく知らないのです。私にとって全く新しいことなので」と返答。続いてトランプ大統領の業績に話を移し、「まだ100日足らずですが、目覚ましい、素晴らしい軌跡でした」と称賛した。

女性に対するトランプ大統領の姿勢については、「父が大統領に就任するずっと前から女性の権利を支持してきたことを誇りに思います。これに関して父は予備選でも擁護していました。家族の支援においても素晴らしい擁護者です」と持ち上げたものの、この発言は観客の冷笑やブーイングに遮られがちだった

トランプ大統領は女性を巡る過去の問題発言で何度も物議をかもしてきたが、それについて質問されたイバンカ氏は、「個人的な経験からも分かっていますし、父が民間人だったときに何千人もの女性が父のために長年働いていたことも、女性の潜在力、そして男性と同等に仕事ができる能力に父が確固たる信念を持っていた証しだと思います」ときっぱり。

私の個人的な経験から考えると、補佐官としても、娘としても、非常に個人的なレベルで、父は私を励まし、躍進する力を与えてくれました」と強調している。(後略)」

 激動の時代が始まりつつある中で、ファースト・ドーターを厚遇するのか、あるいはドイツのように冷遇するのか正解は明らかでしょう。

 たとえば、ロシアが東欧を侵略した場合、アメリカ抜きのNATOが対応出来るのでしょうか。恐らくメルケル首相は「そのようなことにはならない」と考えているのでしょう。そして、いざとなったらロシアと組むぐらいのことは考えているのかも知れません。しかし、侵略国家ロシアとドイツが手を結ぶのであれば、フランスやイギリスは離れていくでしょう。とすると、ヨーロッパは再び分断され、戦争の危機に苛まれることになります。当然、バルト三国ベラルーシポーランドなどはロシア領となっていることでしょう。移民の受け入れといい、現在のドイツには誤った政策決定が多すぎます。おそらくは、ドイツ経済圏と化したユーロ圏による繁栄がそうさせるのでしょう。

 ドイツが忘れていることはイヴァンカさんのトランプ家内部での立ち位置です。

「あなたは安倍晋三首相に従っていればいいのよ」。トランプ米大統領が長女のイヴァンカ氏からそんな忠告を受けたとの話を、トランプ氏が28日の日米電話会談で首相に紹介していたという話がありました。失敗には終わりましたが、パリ議定書に残留するように父に申し入れたのはイヴァンカさんでした。一癖も二癖もある大統領にずけずけものが言えるという希有な女性なのです。そうした女性を厚遇するのは、国家として当然のことです。

 この帰結は,恐らく数年後に明らかになるでしょう。その時を楽しみに待ちたいと思います。