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EU終了のお知らせ 陰鬱な未来像を予測するドイツ軍報告書

 現段階で振り返ってみれば、EUは完全に失敗したと言えるでしょう。その失敗にとどめを刺したのがドイツのメルケル首相であったという評価がなされると思います。
 今回紹介する報告書はまだ目にしていないのですが、ドイツ軍がEUの失敗を認めるとは思いませんでした。ちなみに、EUは終了ですからユーロという共通通貨も終了ということだと思います。

 エクスプレス紙を引用します。
 「今後20年間でヨーロッパ連合と西側諸国は完全に崩壊するというのが、ドイツ軍が作成したレポートの驚くべき結論でした。
 102頁からなるsの報告書は、「戦略展望2040(Strategic Forecast 2040)」と呼ばれているもので、ドイツ国防省により今年の2月に刊行されたものでした。しかし、しばらくは部外秘とされていました。それがシュビーゲル誌に公開されたのです。
 この報告書は、社会のトレンドと国際紛争がドイツの安全保障にどのように影響を与えるのかに関して6つのシナリオを提示しています。
 ドイツ軍は、この秘密文書の中で今後の数十年間で社会のトレンドと国際紛争がドイツの安全保障にどのような影響を与えるのかを分析しました。
 6つのシナリオの内、レポートの筆者は「様々な対立」を想定しています。
 この未来予想は、数十年にわたる不安定性のために国際秩序が崩壊してしまい、世界的な価値システムが漂流し、グローバリゼーションがストップする世界を描き出しています。
 ドイツ軍の戦略分析家は次のように記しています。「EU拡大はほぼ放棄される。そしてEUを去る国がさらに増加するだろう。ヨーロッパはグローバルな競争力を失う
 「徐々に無秩序化し、しばしば混沌に陥る紛争が頻発する世界は,ドイツとヨーロッパの安全保障艦橋を劇的に変えてしまう」
 5番目のシナリオ「西対東」では、東部のEU諸国がヨーロッパ統合を凍結し、他の諸国は「東部ブロックに参入する」とされています。
 4番目の「多極化する競争」では、過激主義が台頭し、「ロシアの国家資本主義モデルにとりわけ接近しようとするEU加盟国すら現れる」と予想しています。
 この文書は,その後の経緯を示していません。しかし、全てのシナリオが「2040年までにはあり得る」ものとなっています。
 このレポートは、EU諸国に冷や水を浴びせているように見えるかも知れません。なぜなら、EU加盟国は、ヨーロッパ軍の創設も含めて、より大きな統合を望んでいるためです。
 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、9月の終わりに包括的なEU統合を要求し、「EU圏の根本的な変革」が必要とされていると付け加えました。
 マクロン大統領は、EUのIDカードの導入、共通の防衛予算、それにEUの介入軍組織を要求しています。
 マクロン大統領はまたユーロ諸国の共通予算を望み、難民問題の解決のためにEU規模の難民機関の設置を求めています。
 欧州委員会のジャン・クロード・ユンケル委員長もまた統合軍はヨーロッパの対外政策安全保障政策に重みを加えるだろうと述べています。」

Shock German Army report sees collapse of EU and West possible | World | News | Express.co.uk

 EU拡大が失敗した原因は、ドイツがトップの地位に躍り出たからといえばしかられるかも知れませんが、メルケルがぶっ潰した側面は大きいと思います。たとえば現在のユーロという共通通貨は、ドイツにとってのみ有利な通貨制度になっています。ドイツの産業にとっては,そこそこ安いユーロは輸出にとって非常に有利です。その反面国内に、外貨獲得のための産業を擁しない弱小国は、高いユーロで長期にわたって苦しむことになります。イタリアがユーロへの修正を試みようとするのも、このドイツにとってのみ有利な通貨制度に原因があります。ギリシャ債務危機の時の、サラ金の取り立てのようなドイツ側のギリシャへの要求があまりに度を外れたものであったことが、英国のEU離脱のきっかけになったとも言えるでしょう。

 ドイツの2つめの罪は、硬直した難民・移民政策です。これほど多くの難民をEU圏内に入れてしまえば、治安問題が焦点になることは火を見るより明らかだったでしょう。しかし、メルケル首相はあえてそれを行ったのです。美しかったパリの町並みも今では難民であふれかえっています。

 そこに輪をかけるのがイスラム過激派によるテロが今後も頻発することです。そのうち大量破壊兵器をテロリストが手に入れることでしょう。そうなると、本当にヨーロッパは終わってしまいます。ヨーロッパ内のイスラム教徒とそれ以外の対立は決定的になるでしょう。

 これだけのことが既に予想出来ているから、トランプ大統領は中東からの移民を制限し、英国はEUを離脱しようとしているといえるでしょう。

 実際には不可能でしょうがユーロ建てでローンを組めば安く上がると思いますよ(笑)。