FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

真面目な、そして誠実なトランプ大統領を評価しよう

 これは“釣り”ではなくて、割合本気です。現在、北朝鮮での戦争回避のために最も注意を払っているのが、おそらくはトランプ大統領その人のはずです。

 こう言うと、ツイッターの発言で北朝鮮を挑発しているのはトランプ大統領ではないかとか、外交を担当しているティラーソン国務長官を背後から攻撃しているのはトランプ大統領ではないのかという批判が聞こえてきそうです。

 ただ、今から振り返ってみれば、これもトランプ大統領なりの欺瞞工作であった可能性が高いと思うのです。欺瞞工作というのは、(実際には現段階で攻撃する意思がないのに)攻撃するぞと北朝鮮を恫喝して、北朝鮮に妥協を迫る戦術であるということです。でなければ、コーカー上院議員の「トランプに去勢される」という発言に対して、「チェックしてみたのですが、無事でした」などと堪えるはずがありません。少なくとも夏頃まではティラーソン国務長官は当惑していたのでしょうが、現在は余裕すら感じます。

 今回紹介するのは北朝鮮問題ですが、アメリカの株高といい、メキシコ国境の壁建設と言い、アメリカ国民、特に白人が心から思っても言えなかった希望を実現しつつあるのがトランプ大統領ではないでしょうか。その言葉ではなく、その行動で判断するならば、もうすこし評価されても良いと考えます。

ロイターから紹介します。

「 [ワシントン 31日 ロイター] - トランプ米大統領北朝鮮との直接対話は時間の無駄だと公言する一方で、米国が北朝鮮との直接対話を水面下で模索していることが、米国務省高官の話で明らかになった。

 北朝鮮を巡っては、トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の挑発的な言葉の応酬で軍事衝突への懸念が高まったが、一方で国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表が「ニューヨ-ク・チャンネル」を通じて北朝鮮国連代表部と接触しているという。

 ニューヨ-ク・チャンネルは米国が持つ数少ない対話ルートの1つだ。

 ティラーソン米国務長官も10月中旬、「最初の爆弾が落ちるまで外交努力を続ける」と述べており、国務省高官の発言は、トランプ大統領の否定的な発言の一方で、米国が北朝鮮と直接接触していることを裏付けるものとみられる。

 ただ、こうした水面下での接触が両国の関係改善につながる兆しは見られない。

 米国や韓国の一部当局者の間では、ユン代表による北朝鮮とのやり取りが限られたものになっているとの見方もある。だが、国務省高官は「頻度と内容の両面において、接触が限られているという事実は全くない」とし、ユン氏が北朝鮮側に強調している点の1つは核実験とミサイル発射をやめることだと述べた

 トランプ大統領の就任当初、ユン代表への指示は、北朝鮮に拘束された米国人の解放を求めることに限定されていた。

 国務省高官は「同代表の権限は今ではより広い範囲にわたっている」と述べた。ただ、核・ミサイル開発について協議する権限が与えられているかどうかは明らかにしなかった。

 同高官によると、ユン氏が北朝鮮との間で高官級の協議を最後に実現したのは、同国に拘束された米国人学生オットー・ワームビア氏の解放を求めるために訪朝した際だ。

 高官によれば、ワームビア氏が解放後に死亡したことで米朝の接触は冷え込んだが、最も大きく影響したのは北朝鮮のミサイル・核実験の加速だという。

 高官は「終着点としては戦争よりも何らかの外交的解決が好ましい」とし、米政権が北朝鮮に外交的な屈服か軍事措置の二者択一を求めているという見方は「誤っている」と強調した。」」

米政府、北朝鮮との直接対話を模索 水面下で接触 | ロイター

 なぜトランプ大統領を評価すべきかというと、実はこのニューヨークチャンネル、オバマ政権時代から存在はしていたのです。しかし、「戦略的忍耐」の美名の下にオバマ大統領はほとんど使用しませんでした。それが、トランプ政権に入ってからしばしば利用されているのです。

 つまり、「外交交渉など時間の無駄だ」というのはあくまでジェスチャーに過ぎないのです。こうした姿勢に北朝鮮は幻惑されています。後は金正恩が根負けするのを待っているのを待っているという状況でしょう。

 残された選択肢は、核開発をあきらめる、金一家が亡命する、逆ギレして先制攻撃を行うの3つに絞られます。ですから、騒ぎが大きくなればなるほどトランプ大統領にとっては好都合なのです。