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第7艦隊にとって最悪の年

 米海軍第7艦隊といえば、西太平洋地域を守る米海軍の中核です。しかし、残念なことに、今年は2度も事故が起きました。その事故の報告書が今週発表されるようです。さわりだけ紹介します。(写真は修理のため輸送される駆逐艦マッケインです。)

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 「 2件の事故で17名の水兵の命が失われ十数名の水兵が負傷した。これらの事故は、標準的な海軍の手続きが全く遵守されておらず、士官と水兵等の貧困な意思決定によって引き起こされたものであるということが海軍の報告書から明らかになった。
 今年の夏の駆逐艦フィッツジェラルド駆逐艦ジョン・S・マッケインの2件の商用船との衝突事件に関する最初の報告は水曜日に発表される予定だ。
 報告書が明らかにしているのは、これらの衝突はいずれも艦橋の士官と水兵の致命的な誤りによるものであったということだ。そして、日本に駐留する第7艦隊,そして広くは海軍の基本的な練度に疑問をさしはさむものとなっている。
 両方の事件で、ブリッジの水兵は管内全域に対して警報を発することが出来なかった。これは海軍の標準的な手続きであるにも関わらずである。
 海上の船舶は,近づいてくる船との衝突に備えて、クルーに警戒を促すために、5度警笛を鳴らさなければならない。この2件の衝突事件ではいずれもそうした措置は取られなかった。デッキの下のクルーも付近の他の艦船も、海軍艦船から船が不幸に向かって進んでいるという警告を受け取らなかったと報告書は報じている。
 また、ブリッジの見張り番も,接近してくる船との間で通信を試みなかった。これも海軍の標準的な手続きに反している。(以下略)」

Navy crews at fault in fatal collisions, investigations find

 このように今年の2度にわたる衝突は、基本的な手続きを守らないために生じたと判断して良さそうです。
 問題は、このような状態で戦争が可能かと言うことでしょう。来年度の予算案はまだ議会で審議をしている最中です。つまり、現在はオバマ大統領時代の予算で動いているのです。オバマ大統領と言えば予算の強制削減です。このために、十分な訓練が行き渡らない状態で、北朝鮮危機を迎えているのです。せめて訓練を行い、十分な予算が確保されるまでは、米軍が大規模な作戦を展開することはあり得ないでしょう。今世間で噂されている来年初めの開戦も、こうした基本的事実から考え直さなければなりません。訓練もおぼつかない状態からなんとしても実戦で仕える水準にまで戻さなければなりません。とすると、何か大きな事件が起きるとすれば、2019年以降になると考えられます。まあ、あくまで予算の点からの考察です。ただ、本音ではペンタゴン北朝鮮ですらとても全面攻撃出来ないと考えているのではないでしょうか。