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グアム空爆の演習を行う人民解放軍

 中国軍機が日本の防衛識別圏にまで何度も進出していることは既に報道されています。しかし、これが,米軍相手にも行われているというのは改めて驚きでした。

 Defense Newsからです。
 「中国はアメリカの海外領土であるグアム島を爆撃する演習を繰り返しています。このために、米軍は中国を太平洋地域で最も厄介な脅威であると考えています。やはりグアムを核攻撃することを考慮している北朝鮮よりも脅威ということです。
 南シナ海武装した人工島を越えて、中国は航空機を東シナ海南シナ海を越えて軍用機を運用しています。また、中国は、米軍が今後南シナ海で作戦行動を取り同盟国を防衛することをより困難にする対策も取っています。
 軍の職員は中国のエスカレートする活動を、ダンフォード統合参謀本部議長に付き従ってハワイを訪れた記者に紹介しました。
 軍の職員によれば、北朝鮮による核の脅威は増大しているものの、まだ「勝てる戦闘」であると米軍は考えています。しかし、中国に関しては「事態の推移に懸念を持っている」というのです。
 「中国はこの地域における長期的な対抗相手である」とダンフォード議長は述べています。彼は、「中国が開発している能力を見れば、我々は太平洋地域での同盟国の関与を満たす能力を維持する必要がある」と述べています。
 過去1年の間に、日本は中国側の識別防空圏に侵入する中国の900もの航空機にスクランブルをかけてきました。2013年に、中国は自ら独自に防空識別圏を設定しました。それは、日本の防空識別圏と重なっており、東シナ海尖閣諸島も含まれています。その時以来、日本と中国の航空機の接触が増加しています。その結果、日本は,スクランブルに対応するために那覇基地に2つの飛行体を駐留させています。
 「日常的に中国機と日本機がごく近距離まで近づく状態が続いている」と軍の職員は述べました。さらに、米中の間の接触も増加していると付け加えました。
 最近では「米軍機が中国機にスクランブルをかけることが日常化している」とも職員は述べている。
 中国機は、アメリカの防空識別圏を検証していると職員は述べました。1000マイルの航続距離を持つ巡航ミサイルを備えた中国のH-6K(轟炸六型)が、グアム周辺のアメリカの防空識別圏に挑戦を挑んでいるというのである。
 H-6K(轟炸六型)が,アメリカの領土の領域にまで到達するのはまれではないとされています。
 「中国はグアム攻撃を練習している」と軍の職員は述べました。そして、これらの航空機はハワイまで到達しているとも述べています。
 こうした飛行は、事故もなく継続している。職員によれば、「アメリカ太平洋軍のガイダンスに従っており、それ以上はエスカレートすることがない」のだそうです。
 米中の軍相互の関係は、警戒しているとは言え、オープンであると職員は述べています。中国と米国の官僚は1年に2度、軍事海上諮問協議委員会(the Military Maritime Consultative Agreement conference)で会談を行っている。そこで、こうした侵入も他の案件と共に議論されています。
 中国の戦闘機と爆撃機の活動の拡大は、中国の「戦うことなく勝つ」という努力の一環なのです。これも、中国が南シナ海で確立した人工島を徐々に正常化することが目的なのです。
 たとえば,他のプレッシャーもあります。人民解放軍海軍は,この地域に公式の中国海軍の艦船ではないものの15万の商業用漁船を運用しています。中国の漁船はベトナムの漁民に組織的な攻撃を行っています。これらの中国漁船は、パラセル諸島ではベトナム船に衝突し、しばしば沈没させています。中国は、1970年代にベトナムからパラセル諸島を奪取した。それ以来、中国はその諸島を軍事化している。この領域は、伝統的に、ベトナム漁船の漁場となっている。
 これらを合わせて考慮すれば、中国の活動が示しているのは、拡大した国境を防衛しようとしているように見えると軍の職員は語っています。
 「中国は、九段線を宣言すると決定したいときに、国境を押しつける準備をしていたのだろう」と職員は述べています。九段戦とは南シナ海の中国の管理下にある領域を指す名称です。
 もし、反撃されなければ、中国は,これらの領域を既存の法に基づいた秩序から徐々に切り離そうとしていると職員は述べています。経済的な存続のために、周辺諸国と中国を同盟を結ばせようとしているのです。
 ダンフォード議長は、アメリカがそうしたことが生じることを許さないと述べています。
 「我々は、自らを太平洋におけるパワーである」とダンフォード議長は述べています。
 「我々は太平洋に留まるべきではないという物語を産み出そうとしている人もいる」とダンフォードは述べている。「我々のメッセージは我々は太平洋におけるパワーであるということだ。我々は太平洋に留まり続けるつもりだ。我々の今後の経済的繁栄は我々の安全保障とこの地域での政治関係に分かちがたく結びついている
 全ての官僚が「中国との紛争の差し迫った危険はない」と強調していますが、この地域の米軍は、太平洋での戦いがどのようなものになるのかを再検討しています。
 「アジアで我々が紛争に巻き込まれたら、我々は空襲を受けるだろう」都職員は語っています。
 共有されている一つの概念は、「身軽な戦力展開」です。米軍の戦闘機は日本の米軍基地に結集しています。そして、それらが10から15の滑走路に分散して配置されています。分散しているために、離れた場所での急速な兵站が要求されています。空軍は既に燃料を分散させる練習を行っています。
 航空機が分散して配備されているために、中国は攻撃目標を集中させることが困難になっています。
 トランプ大統領は、今週末に太平洋地域を訪問する予定です。その際に、日本、韓国、中国、ベトナム、それにフィリピンを訪れることになっています。ダンフォード議長は、中国による侵入活動と経済的圧力によって産み出されている安全保障・経済的懸念が議論されると期待しています。
 「もし、これを中国対策として見なしたいのであれば、そう見なすことも出来ます。しかし、それは法に基づいた国際秩序に基盤を持つものなのです」とダンフォード議長は述べています。「(今回のトランプ歴訪は、)我々の国益を増進させることに焦点を当てています。我々はこの点で妥協するつもりはありません」」

China has practiced bombing runs targeting Guam, US says

 米軍からみた中国人民解放軍の動向に関する記事ですが、すでに米軍は北朝鮮よりも中国に焦点を当てていることがよくわかります。

 つまり、朝鮮半島で戦争が起きるにしても、あくまで前菜に過ぎないということです。メインディッシュはやはり中国との戦いになります。とするならば、第三次世界大戦は避けられないと言えそうです。