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NATOも参戦する第二次朝鮮戦争

 来たるべき第三次世界大戦において、アメリカと中国が対立することはほぼ自明のことと考えて良いでしょう。現在の段階ではアメリカの軍事力が過度に弱体化しており、訓練のレベルから始めねばならないという事情があります。

 中国にしても同様で、習近平中国共産党での権力を完全に掌握し切れたとは言えないのです。今後の経済政策でもアメリカや日本の協力を求めなければなりません。

 ですから、すぐには始まらないのですが、今回のNATOの事務総長の発言は、アジアでの戦争にNATOも積極的に関与するという宣言であるように見えます。

 日経新聞から引用します。 

「【ブリュッセル森本学北大西洋条約機構NATO)のストルテンベルグ事務総長は27日、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮はもはや北東アジアだけの問題ではなく「グローバルな脅威」だと語った。米欧など同盟国へのミサイル攻撃の可能性も視野に入る中で、日本や韓国などアジアのパートナー国と緊密に連携する必要性を強調。圧力強化を訴える一方、「戦争は破滅的な結果をもたらす」と平和的な解決の追求を求めた。

 29日から訪日するのを前に、ブリュッセルNATO本部で日本経済新聞のインタビューに応じた。訪日の狙いは「北朝鮮の脅威が主要議題のひとつだ」と説明。北朝鮮に核・ミサイル計画を放棄させるためには「経済的、政治的、外交的な圧力をかけていくことが必要だ。NATOも支援していく」と語った。

 ストルテンベルグ氏は安倍晋三首相と会談するほか、河野太郎外相や小野寺五典防衛相とも会う。その後、韓国も訪問し、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談。日韓との連携強化をアピールし、北朝鮮をけん制する狙いだ。

 北朝鮮弾道ミサイルについては「米国の西海岸に到達し、欧州にも到達する能力を持つようになると認識している」と指摘。「北朝鮮の核・ミサイル計画がグローバルな脅威となったことを示しており、それゆえグローバルな対応が必要だ」と訴え、NATOの関与を強める姿勢をみせた。(後略)」

NATO事務総長、北朝鮮「グローバルな脅威」 :日本経済新聞

 これで米国や日本だけでなく、ヨーロッパ諸国も対北朝鮮戦略において足並みをそろえたと言えるでしょう。振り返ってみれば、9月のトランプ大統領の国連演説が転換点であったような気がします。これ以降、ヨーロッパ諸国の北朝鮮に対する反応が急速に冷却化しているためです。

 そして、北朝鮮がアメリカに到達する核を保持したという発言には特に注目するべきでしょう。これは、世界的なコンセンサスとなりつつあります。少なくとも来年の内に、北朝鮮は米国本土を攻撃する核を保持するとみられているのです。

 北朝鮮が核の保持を断念せず、あくまでアメリカに対抗する姿勢を崩さないのならば、北朝鮮に対する包囲網はますます厳しいものになるでしょう。すでに、中国もその包囲網の中に加わっています。あとは、ロシアがどこまで北朝鮮の言い分につきあうかというところで、決着するものとお考えられます。これ以上北朝鮮が長距離ミサイルの実験や核実験を遂行するなら、その段階で急速に戦争に近づくことになるでしょう。