ペンスの中東歴訪
言動がことごとく物議を醸すトランプ大統領に対して、目立たないものの地味に次の一歩を形作っているのがペンス副大統領です。このペンス副大統領の動きを追うことで、表に見えないアメリカの動きが明らかになります。
AP通信によれば、ペンス副大統領は、先週の水曜日、12月に中東歴訪の予定があることを明らかにしました。
ペンス副大統領は、NPO団体「キリスト教の擁護」のためのディナーでのスピーチで基調講演を行いました。その時の発言です。
「トランプ大統領は私に12月末に中東に訪問するように指示を出しました」とペンスは述べています。
副大統領は「大統領のために中東諸国の首脳陣に携えるメッセージの一つは、キリスト教徒と全ての宗教的マイノリティーに対する迫害の停止です」と述べました。
また、ペンスはイスラエルを「ハヌカ」の祭日の日に合わせて訪問する予定です。さらに,エジプトにも足を伸ばすことになっています。
副大統領は,イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相、それにパレスチナのアッバス議長とも和平交渉に関して対談を行う予定です。
また、ペンス副大統領はエジプトのシシ大統領とも会談を行う予定になっています。」
Pence to visit Israel, Egypt: report | TheHill
アフガニスタンには、パキスタンも含めて、様々な手段を講じたので残るは、パレスチナ問題の解決ということでしょう。ただ、イスラエルはパレスチナとの和解は国益を害すると考えているために、なかなか成果を上げることは困難でしょう。
アジアで戦争を始めるにしても、中東というバックドアを閉めてからでなければ、到底不可能です。現在の第三次世界大戦の脅威は、中東とアジア情勢が連動することです。ロシアに対する牽制も必要ですが、イスラエルを中心とする中東諸国の秩序が安定化することが現在何よりも必要なことなのです。今回のペンス大統領の中東歴訪もその文脈で考えるべきでしょう。