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北朝鮮への強硬策を求めるテッド・クルーズ

 

 アメリカの議員の中で、北朝鮮への強硬策を求める動きがこのところ顕著です。そんなところに、テッド・クルーズ北朝鮮テロ支援国家の再指定を求めています。

  「テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員は、国務省北朝鮮テロ支援国家への再指定を求めました。
 日曜版のニューヨークタイムズ紙で、クルーズ上院議員国務省に「決定的な決断」を迫っています。
 「8月に可決されたのイラン・ロシア・北朝鮮への制裁法案では、私は国務長官に90日ごとに北朝鮮テロ支援国家のリストに含める回中を決定するように求める条項を挿入した」とクルーズは記しています。
 それから、クルーズ上院議員は、オットー・ワームビアーの扱い、「核・ミサイル兵器開発でのイランとの共謀」、北朝鮮の「シリアの化学兵器計画への支援」を指摘しました。
 「これらのことを考慮すれば、決定は容易だろう」とクルーズは記しています。「実際,アメリカ人は、北朝鮮テロ支援国家に指定されていないことを疑問に思うのは無理もない」とクルーズは付け加えています。
 北朝鮮は1988年から2008年まで、このリストに含められていました。2008年にジョージ・W・ブッシュ大統領が、北朝鮮の核開発を停止するという合意の一部として,この制裁を解除したのです。
 クルーズはop-ed(反論)の欄で、「北朝鮮は核の抑止力を取り除く交渉には全く関心を持たないかも知れないことを認めるべき時期だ」と記しています。
 アメリカはこの問題に関して対話のドアは開けておく必要がある、とクルーズは付け加えました。
 「しかし、アメリカ政府が北朝鮮にとっての核兵器の重みを軽視し続けるならば、アメリカ政府は,アメリカ市民と世界に大きな害を与えることになる」とクルーズは述べています。
 テキサスの共和党員であるクルーズはトランプ政権に、議会と共に「北朝鮮の真実を認め、圧力を最大限に引き上げるための新たな機会を生み出すために議会を使って欲しい」と要求しています。
 「我々は北朝鮮の危険な野心に関して真実を語るべきだ。北朝鮮テロ支援国家に再指定すれば、この動きは我々の力を強め、金正恩の力を弱めるだろう」とクルーズは記しています。
 「私は強く国務省北朝鮮テロ支援国家再指定を強く求め、北朝鮮が長年要求してきた決意に対抗することを求めたい」とクルーズは続けました。
 今月初めに、6名の共和党、6名の民主党,計12名の上院議員国務省に書簡を送り、北朝鮮テロ支援国家に再指定するように求めています。
 テロ国家指定に関しては、国務長官がその国家が何度も国際テロに支援を提供したかどうかを決定しなければなりません。
 トランプ大統領は、この数カ月ツイッター上で激しいレトリックを繰り広げてきました。今月初めにも、「アメリカは25年間北朝鮮への対応に失敗してきた。何十億ドルもの資金を出しておいて成果は全くなかった」とツイートしています。」

Cruz presses to relist North Korea as state sponsor of terrorism | TheHill

 
 振り返ってみれば、94年の北朝鮮との核合意を締結したのはビル・クリントン大統領の時代でした。さらに、テロ支援国家の指定を解除したのはジョージ・W・ブッシュ大統領の時代でした。2016年の大統領選では、クリントン陣営とも、ブッシュ陣営ともトランプ陣営は戦ってきたわけです。その意味では、ブッシュにしても、クリントンにしてもいかがわしい政権であったという意識が,現在のホワイトハウスにあることは否定できないでしょう。
 つまり、トランプ政権が目指しているのは,冷戦終了後のアメリカ政治の総入れ替えであるわけです。ですから、今後も共和党内部での論争は続くことになります。来年の中間選挙では、いわゆる旧来の体制派に属するとみられる議員には容赦なく攻撃が仕掛けられることでしょう。