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冷戦時代の核攻撃態勢を再び整備する米空軍

 26年ぶりに米国は24時間体制で核攻撃を整えています。その様子をお伝えします。

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 「米空軍は、1991年に終結した冷戦以来、核武装爆撃機を24時間待機状態に戻す準備を進めている。
 このことが意味しているのは、つまり、この基地の11,0​​00フィートの滑走路の端に保存されているB-52 に再び核兵器が搭載され、いつでも飛び立てるように整えるということを意味している。現在、これらのB-52は、コンクリートパッドにされ、その独特の形状から「クリスマスツリー」と呼ばれている。
 空軍参謀長のデービッド・ゴールドフェイン将軍は、核計画を支援するバークスデールとその他の米空軍基地を6日間に渡って訪問した際のインタビューで、「今回の視察は、特定の事態に備える計画のためというよりは、現在我々が直面しているグローバルな現状に向けて、そして、われわれが先に進む準備が整っていることをチェックすることが目的であった」と述べた。
 ゴールドフェインとその他のペンタゴン幹部が強調するのは、警戒命令は出されていないが、警戒命令が出されることが想定された上で、準備が進んでいるということだ。その決定を下すのは、米国戦略司令官のジョン・ハイテン将軍か、もしくは、米北部軍司令部のロリ・ロビンソン将軍になる。米国戦略司令部(STRATCOM)は軍の核兵器を担当し、北部司令部(NORTHCOM)は北米を防衛する責任を負っている。
 B-52を警戒態勢の下に戻すことは、米空軍が直面している決定の一つである。現在、急速に開発が進んでいる北朝鮮核兵器、トランプ大統領の北朝鮮に対する対決的姿勢、ロシアの徐々に能力を高め活動の度合いを増している軍事活動といった激変する地政学的な環境に、米軍は対応を迫られている。
 空軍の最高責任者で統合参謀本部のメンバーでもあるゴールドフェイン将軍は、核兵器が抑止または戦闘に使用される可能性のある新しい方法について軍に考えるように要請している。
 「世界は危険な場所であり、核兵器の使用について公然と話している人々がいる」と彼は語っている。「もはや私たちとソ連だけの双極性の世界ではありません。核能力を持つ他のプレイヤーたちが出現している。私たちがこの任務の遂行を確保することが、これほど重要になったことはない
 ゴールドフェイン将軍は、先週の視察旅行の際に、ICBM爆撃機、核巡航ミサイルを冷戦期の使用法を越えて考えるように、空軍兵士に促した。
「私は、空軍のグローバルストライク司令部に対話を促進するように促した。『従来の紛争に核兵器が加わればどのようにみえるのか?』とか『そうした事態が発生するならばグローバルな軍として我々が対応するのか?』『オプションは何か?』と言った問題に関してだと彼は語った。「私たちはそれについてどのように考えるのか、その環境における抑止について我々がどのように考えるのか?」
 ゴールドフェイン将軍は、冷戦終結前の数十年にわたってそうであったように、B-52を警戒体制に戻すのが抑止力に役立つかどうかという質問に対して、「その質問に答えるのは難しい」と述べた。
 「それは、誰がどのような行動をとっているのか、我々の準備状況に注意を払っているのかどうかにかかっている」と彼は述べた。
 既に、核兵器を監督する第2爆撃飛行隊と空軍のグローバルストライク司令部の本拠地であるバークスデールでは、B-52を緊急警戒態勢に戻すために、様々な準備がなされてきた。アラートパッドの近くには、冷戦時にB-52の乗組員が眠っていた古いコンクリート製の建物があり、航空機に飛び込み、瞬時に離陸する施設がリフォームされている。
 その内部には、100人以上の乗組員のためにベッドが設置されており、9つの緊急発射場にある爆撃機に乗り込む乗組員分よりも多い。ビリヤード台、テレビ、シャッフルボード付きのレクリエーションルームもある。バークスデール基地の各飛行隊の記章がが大きな階段の壁を飾っている。
 とある記章にはB-52のシルエットに「昔ながらの方法による平和」という文言が描かれている。階段の下部には戦略空軍司令部の記章が描かれている。これもB-52が冷戦時代に警戒態勢を取っていた名残である。
 これらの長らく空っぽであったB-52駐車スペースには、まもなく、2機の核攻撃司令機、E-4B NightwatchとE-6B Mercuryが加わることになる。これらの機体は、核戦争中に、国防長官とSTRATCOM指揮官の飛行指揮機となる。大統領から攻撃命令が出された場合、これらの航空機は爆撃機ICBM、潜水艦に発射コードを送信するために使用される。正式に全米航空作戦センターと呼ばれているが、この一般には終末の日の飛行機として知られているこれらの機体が、常に24時間警戒にあたっている。
 核攻撃機を備えたバークスデール基地や他の基地は、開発中の新しい核巡航ミサイルの貯蔵施設の建設を準備している。視察旅行の間、ゴールドフェイン将軍は、400以上のMinuteman III大陸間弾道ミサイルと新しい長距離巡航ミサイルの代替案の予備的作業に関して最新情報を受け取った。
「私たちの仕事は選択肢なのだ」とゴールドフェインは述べる。「最高司令官と防衛長官のための最高の軍事的アドバイスとオプションを提供する。STRATCOMの指揮官が必要とするか、NORTHCOM指揮官が祖国を守る準備を整えておく必要がある場合、我々はその軍事力を準備しておかねばならない」」

EXCLUSIVE: US Preparing to Put Nuclear Bombers Back on 24-Hour Alert - Defense One

 26年ぶりという時間の長さには、改めて驚かされます。つまり、米軍もこれまでの中東におけるイスラム過激派を主要的とするのではなく、近代化されたロシアや中国を念頭に置き始めているということです。
 まだ、現段階では、北朝鮮の脅威が僅かに感じられる程度ですが、国家の命運を賭けた核すら使用される世界大戦の可能性が徐々に高まっていると言えるでしょう。