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バノンVSブッシュ家 反グローバリズム行き先は

 先日、カリフォルニア州共和党大会でスティーブ・バノンが演説を行いました。その大まかな骨子は、ジョージ・W・ブッシュ批判とシリコンバレー批判です。今回はまず、ブッシュ批判を取りあげましょう。

 「 ホワイトハウスの元主席戦略顧問であったスティーブ・バノンは、ジョージ・W・ブッシュ元大統領をドジで無能、「ホワイトハウス史上でも破壊的な大統領」であったと非難しました。
 金曜日の晩のバノンの仮借のない発言はその前のニューヨークでのブッシュ元大統領の発言に対して反論したものでした。ブッシュ元大統領は、トランプ時代のアメリカ政治の頑迷さを批判し、「ネイティビズム(先住民の保護主義)」,孤立主義、それに陰謀論が国家の本当のアイデンティティを曇らせていると批判したのです。
 しかし、バノンは、満員大入りのカリフォルニア共和党大会で、ブッシュ元大統領は自分のことを恥ずかしく思わないのか、自分が何を話しているのかわからないのではないかと述べました。
 バノンはさらに続けました。「ブッシュは自分が進んでいるのか,後退しているのかもわからない。大統領だったときのように
 「ジョージ・ブッシュほど破壊的な大統領はいなかった」と,バノンは付け加えました。しかし、ブッシュの名前が持ち出されると、一部からブーイングがなされました。
 ワシントンの現状を批判し、共和党エスタブリッシュメントに対して「公然と反乱」を起こすべきだと主張したときに,この発言はなされました。彼は「永続的な政治階級」が、国家が直面している最大の危険の一つだと主張しました。
 バノンが話したホテルの外側では,抗議者の小さなグループが集まり、声を上げ、プラカードを振り回していました。そのうちの一つには、ナチスの鈎十字も描かれていました。抗議者達は、入り口の向こうの鉄のバリケードの向こう側に追いやられ、イベントに参加する人からは見えませんでした。逮捕された人もいなかったと報じられています。」

Bannon faults George W. Bush for 'destructive' presidency


 バノンがブッシュを批判するのは当然のことでしょう。スティーブ・バノンは白人至上主義者と言うよりは、経済ナショナリストです。ですから、外交政策で言えばアメリカ・ファーストという名の引きこもりになります。経済政策ではアンチグローバリズムでしょう。ジョージ・W・ブッシュ大統領と言えば、まず、アメリカ同時多発テロ以降、アフガニスタンでの戦争、次いで2003年からはイラク戦と次々と戦争を繰り広げ、グローバリズムの美名の元に中国との経済協力を推進した大統領でもあります。
 オバマ大統領はといえば、対外戦争をストップさせるために、軍事予算を大幅に削減しました。ですが、中国との融和という点ではブッシュ政権と変わりませんでした。
 アメリカ国民を犠牲にして、企業の利益ばかりを図るグローバリズムを真っ向から否定したのがバノンだったのです。ですから、ブッシュ家がなんと言おうと今後もバノンやトランプ大統領から批判され、馬鹿にされることでしょう。
 ですから、今回のトランプ政権は目に見える形でのアメリカ史上の転換点なのです。