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「我々は最悪の事態に向けて準備しなければならない」米国務次官が語る。

 先日サリバン国務次官が来日しました。この件も含めて、北朝鮮の動きをまとめてみました。

  「サリバン国務次官は火曜日に「北朝鮮の侵略行為に対する外交努力が成功しなければ、アメリカは『最悪の事態に備える』必要がある」と発言しています。
 「しかしながら、我々は日本や韓国などの同盟国と共に、外交が失敗した場合、最悪の事態に備えるべきだ」と日本の外務次官に対して語りました。
 それに対して、杉山晋輔外務次官は,記者からの取材に外交を強調しました。サリバン国務次官と杉山次官は共に韓国を訪問し協議を継続する予定です。
 サリバン国務次官のコメントは、今年に入り、米朝の緊張が高まっていることを受けたものです。北朝鮮は7月と9月にICBMの実験を行い、水爆の実験も成功したと主張しています。
 トランプ大統領は、万一アメリカが自らと同盟国を北朝鮮から守る必要性が生じれば、北朝鮮を「完全に破壊する」と述べています。」

US diplomat: We must be ‘prepared for the worst’ if diplomacy fails with North Korea | TheHill

 今回の事務方の会談は,直接的にはトランプのアジア訪問の準備を目的としています。しかし、その中心的な課題が北朝鮮問題であることも否定しがたい事実でしょう。少なくとも10月の段階では、外交交渉が継続されていると見ることが出来ます。
 そして、その交渉を仲介しているのがロシアなのです。日本経済新聞を引用しましょう。

「ロシア、北朝鮮問題で「仲介役」演出 対米カードに
上院議長が南北代表と会談 2017/10/17 2:06
【モスクワ=小川知世】ロシアのプーチン政権が北朝鮮との関係を対米外交カードに利用しようとしている。自国で開く国際会議に北朝鮮や韓国など関係国の代表を招いて南北対話を実現する機会を探るほか、ロシア議員団らの訪朝も相次ぐ。北朝鮮との「仲介役」を演出することで、影響力の確保を狙っている。
 ロシア上院のマトビエンコ議長は16日、サンクトペテルブルクでの国際会議を訪れた北朝鮮と韓国の代表とそれぞれ会談した。マトビエンコ氏は両国の直接会談を呼びかけたが、北朝鮮が米韓合同軍事演習などに反発し、実現していない。
 マトビエンコ氏と会談した北朝鮮最高人民会議副議長はトランプ米大統領国連演説を受けて出された金正恩キム・ジョンウン)委員長の声明を手渡し、「核兵器保有が唯一の自己防衛手段」との見解を改めて示したという。
 韓国との会談が約30分だったのに対し、北朝鮮とは約1時間半に及んだ。終了後にマトビエンコ氏は北朝鮮問題を巡る6カ国協議の再開を主張。「対話に向けて最大限努力する」と働きかけを続ける意向を強調した。
 19日からはモスクワで核不拡散についての国際会議を主催する。同会議には北朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)北米局長と、米国のウェンディ・シャーマン元国務次官が参加する見通し。この機会に、米朝が核問題を巡って接触する可能性が指摘されている。
 ロシアは北朝鮮とのパイプづくりにも取り組んでいる。ロシア議会の議員団が10月初旬、平壌北朝鮮高官と会談したのに続き、11日にはタス通信のミハイロフ社長が訪朝し、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と会談した。タス通信は「米国とは話し合える雰囲気ではない」と軍事行動をちらつかせる米国を非難する李氏の主張を報じた。
 北朝鮮への圧力を強めるトランプ米政権に対し、プーチン政権は中国とともに対話を主張してきた。北朝鮮に対する制裁強化を決めた9月の国連安全保障理事会の決議を巡っても、採決直前まで否定的な立場を示し、米国に揺さぶりをかけた経緯がある。
 こうした一連の動きには、北朝鮮問題を米国との交渉カードにしたいというロシアの思惑も透けるウクライナ侵攻を巡って米欧から制裁を受けるロシアは、2016年の米大統領選に介入したとみられており、米国との関係をさらに冷え込ませた。北朝鮮問題への影響力をテコに、米国との関係修復の呼び水にする狙いがあると指摘する声もある。」

ロシア、北朝鮮問題で「仲介役」演出 対米カードに :日本経済新聞

 北朝鮮との関係を仲介することで、アメリカの関心も買いたいというロシアの本音が窺える行動ですね。しかし、こうした仲介を北朝鮮が一方的に拒絶すれば、今度こそ北朝鮮は国際社会から孤立してしまうことになります。実際NHKも次のように伝えています。
「ロシア プーチン大統領北朝鮮協力を制限する大統領令署名
10月17日 18時48分
 ロシアのプーチン大統領は、国連安保理の制裁決議に基づき、北朝鮮との協力を制限する大統領令に署名しました。ロシアとしては、決議を履行し、北朝鮮と一定の距離を取ることで、国際社会からの批判をかわすとともに、北朝鮮にくぎを刺し、対話を促す狙いがあるものと見られます。
 ロシア政府は16日、北朝鮮に対する国連安保理の制裁決議に基づき、プーチン大統領北朝鮮との協力を制限する大統領令に署名したと発表しました
 それによりますと、北朝鮮から銅やニッケル、銀、亜鉛を購入することや、北朝鮮に新しいヘリコプターや船舶を供給することを禁止したほか、医療分野以外の核・ミサイル開発計画を推進するおそれがある科学技術協力を停止するとしています。さらに、500ドル以上のじゅうたんや100ドル以上の陶磁器の取り引きも禁止しています。
 北朝鮮は、核・ミサイル開発をめぐって、アメリカのトランプ政権との対決姿勢を強めているだけでなく、後ろ盾の中国ともぎくしゃくした関係が続いていて、ロシアに接近する動きを見せています。
 ロシアとしては、国連安保理の制裁決議を履行し、北朝鮮と一定の距離を取ることで国際社会からの批判をかわすとともに、このままでは孤立することになるとくぎを刺すことで、北朝鮮に対話を促す狙いがあるものと見られます。」

ロシア プーチン大統領 対北朝鮮協力を制限する大統領令署名 | NHKニュース


 現在の所、北朝鮮プーチンの恐ろしさに気がついていないように見えます。このままかたくなな姿勢を変えないようであれば、金正恩は、とんでもないしっぺい返しを受けることになるでしょう。

 そして、アメリカはアメリカで年末から北朝鮮に対する軍事作戦を準備し始めるでしょう。年末からのアメリカの動きに要注意です。