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「北朝鮮が1年もつかわからない。多くの人が死ぬだろう」と「39号室」の元幹部が語る

今回は日本テレビからです。
 「北朝鮮で金正恩委員長の秘密資金の管理などを担う機関の元幹部が16日、アメリカで講演し、国連安全保障理事会などによる新たな経済制裁について、「北朝鮮が1年もつかわからない。多くの人が死ぬだろう」と指摘した。

  李正浩氏は、金委員長の秘密資金の管理や外貨獲得を担う機関「39号室」の元幹部で2014年に韓国に亡命し、現在はアメリカに住んでいる。

 ニューヨークで16日に行った講演で、李氏は、国連安保理やトランプ政権による新たな経済制裁が「これまでになく厳しいものだ」として、大きな影響が出るとの考えを示した。

 李氏「(北朝鮮が)1、2年もつかわからない。明らかに多くの人が死ぬだろう」

 また、北朝鮮の後ろ盾である中国が安保理の制裁決議に賛成したことについては、「2013年に習近平国家主席が北朝鮮に対し、核実験をしないように伝えていたにもかかわらず、金委員長が聞き入れなかったためだ」と分析した。」

経済制裁で多くの人死ぬだろう~北の元幹部

 ここで説明が必要なのは、「39号室」ですね。これは、金一家の資金管理団体で、非合法な経済活動も手広く行っている部局です。ブルームバーグによれば、表向きは朝鮮民族保険総会社(KNIC)とされています。

 KNICの名前を一躍有名にしたのは、2005年のヘリコプター墜落事故により、食糧などの人道援助で平壌の倉庫が破壊された際に、ロンドンのロイズ、アリアンツSEおよびその他の再保険業者に対して5700万ドルの請求を行った事件でした。

当時、ロンドンの裁判所で保険会社が主張したのは、この事故は計画的なものであって、金正日に利益をもたらすために外貨を北朝鮮に持ち込むことが目的だということでした。

 これらの再保険業者のほとんどは、2008年に約5300万ドルで和解し、同社に対する詐欺の疑惑をすべて取り下げることに同意しました。

Sanctions on North Korea Inc. Hit Kim Jong Un’s Secretive ‘Office 39’ - Bloomberg

 おそらくは故意に事件を引き起こして、保険金をせしめたという事件なのでしょうが、かかわった組織や人がことごとく不幸になるのが北朝鮮という国であるといえます。とにかく、自国と自分の一族のためであれば、何をしてもOKというのが北朝鮮です。国家の存続にとって一番不適切な手法を採用してきたのです。北朝鮮、より正確には金一族にとって終わりの時が近づいているように見えます。