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核戦争は「いつ起きてもおかしくない」と警告、北朝鮮

 今回の北朝鮮危機で、最も当惑しているのが北朝鮮であることはほぼ間違いがありません。「こんなはずではなかった」と金正恩も今頃思っているはずです。あるいは、金正恩は頭が悪いかもしれないので、まだそう思っていないかもしれません。しかし、あと3か月もすれば自分の愚かさをのろっていることでしょう。父や祖父のように、核兵器を開発しながらも恫喝を繰り返していくというスタイルを踏襲しているだけなのに、今回はどうも様子が異なるのです。仕方がないので「恫喝」は継続しているのですが、事態は自らが望んでいない方向ばかりに動いていきます。虚勢を張れるのがいつまでか、生暖かく見守りたいと思います。それでも、逆切れして、核戦争の可能性は捨てきれないわけですが。

 ブルームバーグからです。

北朝鮮は16日、米韓両国が朝鮮半島の東西両側で過去最大規模の合同軍事演習を実施する中、核戦争は「いつ起きてもおかしくない」と警告した。

 北朝鮮のキム・インリョン国連次席大使は、国連総会の軍縮委員会で、「多様な距離の運搬手段を有する本格的な核大国」になったと表明。「米本土全体がわれわれの射程内にある」と警告した。同氏はまた、北朝鮮は「責任ある核国家」だと述べた。

 キム次席大使はまた、「北朝鮮に対する米軍事行動に参加しない限り、われわれは他の国に核兵器を使用するつもりはないし、核兵器を使用すると脅かすつもりもない」と発言した。

 キム氏の発言は、トランプ米政権との緊張が高まる中で北朝鮮がこの数カ月、発してきた警告と似た内容だった。米国の有力シンクタンクランド研究所の上級防衛アナリスト、ブルース・ベネット氏ブルームバーグテレビとのインタビューで、「北朝鮮は自分たちの発言で多くの人が心配すれば、米韓の行動を妨げることができるとみて、極限まではったりをかけている」とした上で、「北朝鮮が過激な言葉を使ってはったりと空威張りで阻止することに慣れきっていることが問題であり、同国は現在、米国が似たアプローチを用いていることにショックを受けている」と指摘した。

 トランプ大統領は軍事力行使が金正恩朝鮮労働党委員長を押しとどめる選択肢の一つだと述べており、北朝鮮との協議の可能性を否定している。

 ティラーソン国務長官は15日、自分が「最初の爆弾投下まで」北朝鮮に対する外交努力を推し進めることを大統領は望んでいると語った。」

核戦争は「いつ起きてもおかしくない」-北朝鮮国連次席大使 - Bloomberg

 結局のところ、ランド研究所のブルース・ベネット氏の談話に尽きるわけです。クリントン政権の時であれば、核開発に必要な時間と資金、それに燃料などもタダで手に入ったのです。「アメリカなんてちょろい」と北朝鮮は考えていたのです。ところが、今度は、アメリカの側から恫喝に次ぐ恫喝です。しかも、大統領が率先して行うのです。これでは、どこまでがアメリカの本音なのかわからないでしょう。

 現在、北朝鮮に手を差し伸べているのはロシアただ一国です。そこが、イランと異なる点です。そのロシアが、韓国との仲介に乗り出しても、相変わらず強硬な姿勢を崩しません。これでは、プーチンの顔に泥を塗ったようなものです。起こったプーチンはどう反応するのかが見ものです。