今日の北朝鮮情勢
いくつかニュースがありましたので,整理してみることにしましょう。
まず、ロイターのニュースから紹介します。
「[モスクワ 15日 ロイター] - ロシアの複数の通信社は15日、サンクトペテルブルクで16日に開催される会議に出席する北朝鮮と韓国の有力議員が直接会談することはない見通しだと報じた。ロシア政府は会談を行うよう働き掛けている。
ロシア上院のマトビエンコ議長は16日、北朝鮮議会のナンバー2および韓国国会のトップと会談し、北朝鮮の核・ミサイル開発について協議する見通し。
ただ、ロシア通信(RIA)は15日、ロシアの下院副議長、ピョートル・トルストイ氏とロシア訪問中の北朝鮮代表団の匿名のメンバー1人の話として、直接対話は行われない見通しだと伝えた。
この北朝鮮の代表団メンバーは、米国の北朝鮮への圧力と米韓合同軍事演習を踏まえると、直接対話の条件は満たされていないと指摘した。
ロシアの各通信社によると、ロシア上院のコサチョフ国際問題委員長は、北朝鮮側はこれまでのところ直接対話を拒んでおり、韓国側は前向きな姿勢を示していると述べた。
インタファクス通信によると、同委員長は会談を強制することはできないとしながらも、「南北関係の緊張緩和への機会を再び逃すことになれば、人道的にも政治的にも残念なことだ」と述べた。」
現在の危機を解決し、北朝鮮をイランのような自らの勢力圏に引き込むために、ロシアは北朝鮮と韓国の融和を図っているというニュースです。
現在のロシアは、日本との関係よりも、朝鮮半島の方を重視しています。
北朝鮮から見れば、ロシアは事実上最後の命綱になっています。にも課かwらず、仲介には反対する北朝鮮には手を焼いていることでしょう。
しかし、中国と異なり、あるとき手のひらを返して、北朝鮮を追い込むこともあるというのがロシアの恐ろしさです。現在ロシア正教の布教が北朝鮮で積極的に行われているという事実に北朝鮮もそろそろ目を向けた方が良いのではないでしょうか。
2番目のニュースは、米韓軍事演習ですね。これはブルームバーグ(日本語版)からです。
「米韓両国の海軍は16日、艦艇約40隻が参加する合同軍事演習を開始した。北朝鮮にはミサイル発射など新たな挑発を準備している兆候が見られる。
韓国の国防当局者によると、軍事演習は朝鮮半島の東西両側の海域で、20日まで実施される。内部の方針で匿名を条件に語った。
複数の韓国メディアが14-15日に匿名の軍関係者の情報として報じたところによると、北朝鮮のミサイル車両がマップ上から繰り返し現れたり消失したりしているほか、「輸送起立発射機」が平壌近くや平安北道から弾道ミサイルを運搬するのが確認された。
オーストラリアのビショップ外相は15日、中国党大会が北朝鮮の新たな挑発行動のきっかけになり得ると記者団に発言。北朝鮮は中国が世界から注目を浴びている時に恥をかかせようとしてきたと説明した。」
過去の慣例を考えれば,北朝鮮は、米韓軍事演習中に挑発的な行動を取りにくいとは言えるでしょう。この記事には記されていませんが、日本の総選挙も考慮されているはずです。この時期に、日本列島を越えるミサイルでも発射すれば、選挙の流れも一気に変わることでしょう。ですから、このところ北朝鮮が行動を自粛しているようにも見えるのです。