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マティス国防長官「私はこのイラン戦略を支持する」

 マティス国防長官は、トランプ大統領の敵対的なイラン政策を支持すると発表しました。当初は、アメリカはイランとの核合意を遵守すべきと語っていたので、方針変換と言えば言えるでしょう。

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Thehillからです。

「 マティス国防長官は,金曜日に、トランプ大統領の新たなイラン戦略を支持すると述べました。トランプ大統領は、イランがオバマ政権下で締結された核合意を遵守するとは見なさないと発表したためです。
 マティス国防長官は次のように語っています。「私は大統領に忠告した。彼はアメリカ市民によって選ばれた大統領だ。だから、大統領から提示されたイラン戦略を私は支持する
 金曜日の発表に先立って、マティスは大統領の考えに反対しているように見えた閣僚の一人でした。
 国防長官は、今月初めに、イランの核合意を遵守することはアメリカの国家安全保障上の利益であると述べていました
 しかし、トランプ大統領は、ホワイトハウスで、イランは「合意を複数回違反して」おり、アメリカは「この合意の遵守を確認出来ないし、確認しないだろう」と述べたのです。
 大統領は米国、イラン、その他五カ国の間で締結された合意から撤退するとまでは述べませんでした。しかし、トランプ大統領は、弾道ミサイル実験からヒズボラへの支援に到るまで他の様々な問題でイランと対立を深めることになるでしょう。
 最優先事項は、中東やその他の同盟国にイランの「不法行為」に関する見解を提示することだとマティス国防長官は語っています。
 海兵隊の退役将軍であるマティス国防長官は、アメリカは、同盟国や友邦国と情報を共有することで、イランが反乱グルー分辞退して武器輸出するのを「思いとどまらせる」つもりだと語っています。
 マティス国防長官は、以前、イランには挑発的な行動は見られず、対イラン政策が発表されたトランプ大統領の演説の後でも、米軍の姿勢は変わらないと述べていました。
 「イランは,レバノンからシリアにかけて、イエメンからアフガニスタンにかけて、地域を不安定化させている。もちろん我々はそうした事態を静観している。現在では我々は姿勢を変えていない」とフロリダの中央軍司令から帰る途中にマティス国防長官は述べています。
 ペンタゴンはまた声明で、「同盟国と協働できる分野を特定し、イランの不安定化に向かう影響力を無力化し、侵略的な戦略投影を封じこめる、とりわけ、テログループや民兵への支援を封じ込める方法を模索している」と発表しています。」

Trump's defense chief: 'I stand by this Iran strategy' | TheHill

 確かに、イランの核合意は遵守しておいた方が、短期的な省エネにつながるのは確かでしょう。現在の米軍にとっての課題は、オバマ時代の予算削減のダメージから回復することにあります。以前のエントリーでお伝えしたように、沖縄の海兵隊のローテーションも限界に近い状況です。したがって、イランとの関係悪化は避けるべきという主張には一理あります。

 しかし、その一方で、イラク戦でイラン製のIEDによって多くの米兵士が犠牲になりました。その被害があまりに大きかったので、撤退したのだという噂があるほどです。アメリカ同時多発テロまでは、コバールタワーの爆破事件での米兵、フランス兵の被害がテロの最大の被害者でした。

 また、イラクだけでなく、アフガニスタンにも、そして、イエメンにもイランが手を伸ばしていることはよく知られています。

 ですから、時間稼ぎはしたいが、大統領が主張する以上仕方が無いという諦念が感じられる発言といえるでしょう。