FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

リラはもうだめ。次にダメになるのは?

 先日リラはもうだめというエントリを立てましたが、まさしくその通りの展開が続いています。南アフリカのランドなどもFXで取引されている方も多いと思うのですが、今後も、現地の政情に関する基本的な知識がなければ、非常にリスクの高いギャンブルとなることでしょう。

  ブルームバーグからです。

「日本のリテール投資家のトルコ・リラ投資意欲は10月初旬に、フィーバーと呼べそうな水準に達していた。最新の政治的騒動でこの熱は冷めただろうか。三菱UFJ国際投信(MUFJ国際)によれば、答えはイエスだ。

 年限を問わず10%超というトルコ債の利回りは、利回りに飢えている日本の個人投資家をひき付けてきたが、米国と相互にビザ発給を停止するという最新の事件を受けたセンチメントの反転は、需要への影響が長引くかもしれないと、MUFJ国際の下村英生チーフファンドマネジャーはみている。

 リラは9日、トルコ株、債券とともに急落した。米国との外交上の緊張が、トルコの双子の赤字や米国の引き締め見通しへの懸念に加わった。日本の個人投資家のリラ買い越しは10月3日までの週に過去最大に達していた。

  下村氏は、多くのファンドが短期債に投資しているためニュースに対する当初の反応は大きくなりがちだと分析。最新の展開で、トルコはドイツに加え米国との間に緊張関係を抱えることになったと指摘し、投資家は外交問題に今までより注意を払うだろうと述べた。」
 トルコが危ないという話は、シリア難民のEUへの受け入れに関してドイツと決裂しているころから出ていました。本来、トルコの大統領職は、名目的なものでした。にもかかわらず、エルドアン憲法を改正して、権力を兼ね備えた役職に変えてしまいました。そこに、クーデター未遂をめぐりアメリカとの確執が生じたため、現在はロシアと接近中という話はすでにお伝えしたかと思います。
 エルドアン大統領も、あまり自覚していなかったのでしょうが、アメリカと切れるということはグローバルなマーケットからも切れるということを意味します。今後のトルコ経済は、その意味で、楽観が出来ないといえるでしょう。
 その意味で、アメリカとの関係が微妙な国、しかも国際情勢が厳しい環境にあるといえば、韓国のウォンに今後焦点が当たるのではないでしょうか。もちろん悪い意味でですが。