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北朝鮮問題はトランプ大統領に任せておけない、と米議員ら

 何度もお伝えしているように、トランプ政権の対北朝鮮政策は、軍事力の脅しは用いますが、基本的には徹頭徹尾外交によるものです。そうした対応に、今度は議会の方がしびれを切らせつつあります。これは、アメリカ国民が北朝鮮に対して異質な恐怖を感じていることが背景にあります。現状では困難ですが、準備が整えば、米国による北朝鮮先制攻撃も否定できなくなってきました。

 

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 TheHillからです。
 「共和党民主党上院議員北朝鮮核兵器プログラムに関して懸念を深めている。そして、トランプ抜きで独自の制裁案を検討している。
 この議論は議会とトランプ大統領の衝突を生みだしている。というのもトランプ大統領は、既に金正恩の体制に打撃を与えていると主張しているためだ。
 トランプ大統領は、先週、北朝鮮と取引のある銀行を対象にした前例のない制裁措置を発効させた。この制裁措置は、北朝鮮の同盟国であり、支援国でもある中国への圧力を強める大きな一歩である。
 政府高官は、議員等に、既に制裁は機能しており、議会が動くことでホワイトハウスの手を縛らないで欲しいと求めている。
 しかし、北朝鮮が核開発を進め、米本土を直撃できる兵器開発を着実に進めているために、上院議員はしびれを切らしているところだ。
 議員たちが認めているのは、事態を傍観するか、大統領を支持するか、あるいは、議会自らの手で処理するかを決定するのは困難だと言うことだ。
 「カタストロフにもなりかねない状況にあるときに、議会の追加的な活動が役に立つのだろうか」と語ったのは上院外交委員会委員長のボブ・コーカーである。これは、彼の上院銀行委員会で制裁措置に関する討論での発言である。
 公聴会で、制裁に関して権限を持つ銀行委員会は、政府高官から話を聞かされていた。
 議員等は北朝鮮を抑止できないことにいらだちを募らせている。
 共和党のトム・コットン上院議員は、タカ派で軍歴もあるが、彼は「あらゆる手段を用いて彼らに対抗するべきではないという理由があるのか。出来るだけ激しく、出来るだけ激しく、そして使えるものなら何でも用いて北朝鮮を攻撃するべきだ」と述べている。
 テロ金融犯罪担当財務時間のシーゲル・マンデルカーは、「それこそ、我々が行っていることだ」と述べている。
 マンデルカーと、東アジア太平洋問題担当のスーザン・ソーントン国務次官補は、忍耐と柔軟性を求めている。
 しかし、政府も議会も圧力を感じている。
 北朝鮮は、今年に入り何度か長距離ミサイルの発射実験と高出力の弾頭の爆破実験を行い、アメリカとその同盟国を恐喝している。水爆実験を成功させたと見られた段階で、金正恩の体制の侵略的な行為に対する懸念は、新たな水準に達した。
 トランプのレトリックも、彼が北朝鮮に対して「炎と怒り」という言葉で威嚇して以来、、緊張を高めている。
 最近では、トランプは、国連総会の演説で、金正恩を「チビのロケットマン」と嘲っている。さらにう「、もし北朝鮮がアメリカやその同盟国を脅すならば、北朝鮮を「完全に破壊する」と述べている。
 ティラーソン国務長官が、北朝鮮と直接交渉していると明らかにした後で、トランプ大統領は、「私は、我が国の優れた国務長官であるレックス・ティラーソンに、チビのロケットマンと交渉して時間を浪費していると告げた」と日曜日にツイートしている。
 日曜日に、国務省は、北朝鮮との外交窓口は「現在の所は」開かれていると主張した。
 しかし、政府は北朝鮮への対応を強化した。中国に圧力をかけ、北朝鮮への経済的軍事的支援をスケールダウンするように求めている。世界からほぼ孤立している北朝鮮にとっては、中国の支援は決定的に重要である。
 トランプ政権高官は、対北朝鮮制裁を強化させ、銀行や企業が北朝鮮の企業、もしくは北朝鮮軍と関わりのある銀行や企業をブロックしている。これらの行動は、中国側の警告を無視する形で行われている。中国は、アメリカに、銀行や企業を焦点とした制裁措置について警告し、報復攻撃の可能性も示唆している。
 しかし、北朝鮮はといえば、米国本土にまで到達可能な兵器の開発にひたむきに取り組んでいる。
 そのために、トランプ大統領は、先週、財務省に対して大統領令を発した。トランプ大統領は、その大統領令で、財務省の外国資産管理局に北朝鮮と関係のある銀行や企業をブロックする権限を授けたのである。
 ホワイトハウスは、その制裁措置が中国を対象としたものではないと念を押した。中国人民銀行は、トランプが制裁措置を発表した直後に、北朝鮮に対する制裁措置を発表した。
 「残酷な北朝鮮の体制は、自国の市民や他国の主権を尊重しない」と、大統領を発する際にトランプ大統領は述べている。「新たな大統領令は、北朝鮮が人類に知られた最も恐ろしい兵器を開発する努力に資金を提供している収入源を断ち切るだろう」
 財務省は、既に8行の北朝鮮の銀行、27名の北朝鮮の国民に制裁措置を科している。
 しかし議員等は中国への追加制裁を検討している。中国側の北朝鮮への対応が遅すぎるためだ。
 議会のメンバーは、北朝鮮に石油を輸出している企業や、中国やロシアといった国々に対して制裁措置を強化するべきだと提案している。
 そうした制裁は、北朝鮮経済にとっては打撃となる。しかし、アメリカとそれらの諸国との関係悪化も招き、経済的な報復措置がとられる可能性がある。
 上院議員の中には、行動するのが遅すぎたと懸念している議員もいる。
 マーク・ワーナー民主党上院議員は、上院の情報委員会の幹部であるが、銀行委員会議長のマイク・クラポに、金正恩の体制が推進する兵器プログラムに関して上院議員に対して機密のブリーフィングを行うように求めた。
 ワーナー上院議員は、制裁が機能する時間があるのかを公然と疑問視している。
 「北朝鮮は核開発の面で進歩を遂げているのに、これらの制裁措置がうまく機能がするようになるまで、果たして時間があるのだろうか」とワーナー上院議員は疑問を提示している。
 たとえ校歌があるとしても、上院議員は政府に金正恩の体制に入る資金を停止するためにより多くの努力を求めている。そして議会の対応を仄めかしている。
 マンデルカーとソーントンは、共に、中国との微妙な関係は維持しながらも、北朝鮮経済を窒息させるために前例のない措置を取っていると主張してる。
 そして、彼らは何度も議員らに、政府が主導権を取り、予想外の事態を引き押しかねない措置、もしくはアメリカ政府の行動を制約するような措置を取らないように求めている。
 「戦争と混沌の間の線引き、それに非核化に向けた動きに関して議員等が考えている計算は、我々の方針とは若干異なる」とソーントンは述べている。」

Lawmakers look to bypass Trump on North Korea sanctions | TheHill

 トランプのプロレス興行には、そろそろアメリカの議員も飽き始めているのです。米国本土が得体の知れない敵に核ミサイルで狙われるというのは、キューバ危機以来の事態です。北朝鮮の核による無言の圧力にアメリカの議員達もしびれを切らせつつあるのです。 当分の間は米朝間で外交交渉が行われることになりますが、その交渉がうまくいかなければ、軍事的緊張は再び高まることになるでしょう。