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かわいそうな男 金正恩(BGM付き)

 同情はしません。しかし、こんな人生ならば悲しかろうと思います。

  たとえば、家を継いだときに、父親の親戚(張成沢(チャンソンテク))がいたとします。張成沢は、優秀で、中国との関係を取り仕切っていました。張成沢は、中国のように改革開放経済を北朝鮮に取り入れて、経済を活性化せせることを考えていました。
 その一方で、金正恩の兄である金正男にも資金を送っていました。
 ここまでならば、良くある話です。親戚同士仲良くすれば良いこと、これが諍いになるはずもありません。
 しかし、張成沢には、自分は大丈夫だというおごりがありました。そのために、金正男の妻李雪主(リ・ソルチュ)が喜び組で多数の高官と性的交渉があったことを同僚の前で暴露してしまったのです。おそらくは他の高官も知っていたはずですが、この事実に金正恩は激怒します。2013年12月11日に解任した後、金正恩張成沢を機関銃で射殺させました。自分の妻が、多数の高官と関係があった。そして、その高官らは自分を見下していると金正恩は考えたのでしょう。高官の粛清は続くのです。
 それだけではありません。貴重な北朝鮮とのパイプ役を失った中国が焦り出すのです。幸い、手元には日本で一時的に身柄を拘束された金正男がいます。中国との対立を深める金正恩を何とかして消し、金正男に差し替えようとしたのです。
 その動きを事前に察知していた、金正恩は先手を打って金正男をマレーシアの空港で暗殺します。叔父を殺し、兄を殺したのです。
 そして、父親の代から受け継がれてきた核開発を一層押し進めました。武器があれば自分の身の安全は保証されると愚かにも考えたのでしょう。しかし、金正恩が核ミサイル開発を進めれば進めるほど、アメリカとの国交樹立という大目標は蜃気楼のように消え去ってしまうのです。
 それに輪をかけたのが、トランプの「口撃」でした。トランプの場合は、プロレスに似た煽り文句に過ぎなかったのですが、ナイーブな彼は真に受けてしまったのです。つい、「宣戦布告」という言葉を使ってしまいました。
 これで、北朝鮮はいつアメリカに攻撃されてもおかしくないことになりました。トランプ政権は「宣戦布告」を否定していますが、これ以上挑発を続けるならば、それこそ身動きがとれなくなることでしょう。
 おそらくは、ロシアのプーチンにも支援を求めているはずですが、プーチンといえど分が悪いと考えれば、すぐに金正恩を切り捨てるでしょう。
 ここまでわかっているのに、この動きを止められない。金正恩はつくづく憐れな男です。

 そんな彼に送るうたがあるとすれば、これでしょう。

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