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ティラーソン、イランが制裁を実行しているとトランプを諫める

 現在のホワイトハウスで、口数は少ないものの一番正直なのがティラーソン国務長官でしょう。このティラーソンが「戦争もやむなし」といえば、本当の戦争が始まるのだと思います。したがって、今回のイランの核合意に関しても、できればトランプに順守してほしいはずです。

「 またThehill.comの記事を紹介します。
 レックス・ティラーソン国務長官はトランプ大統領に、イランが核合意を遵守していると議会に保証するように求めている。トランプ大統領が取引を修正する可能性があるとWSJが報道したためだ。
 国務長官がトランプ大統領に忠告したのは、大統領が国連総会で「アメリカにとっての困惑」であると語る1週間前のことであった。
 トランプ大統領は水曜日に、この核合意に関して決意を固めたと発表している。しかし、ティラーソンは、このことを公にする前に「追加的作業」が必要だと語っている。
 ティラーソンが水曜日に語ったのは、以前包括共同作業計画(the Joint Comprehensive Plan of Action (JCPOA))として知られていた2015年の「技術的法令遵守事項」の中にある。テヘランによる脅威を核合意が停止していないにもかかわらずである。
 EUの外交担当の官僚であるフェデリカ・モグヘリニは、今週、合意に関わった国々の高官レベルでの協議にしたがって、この合意の重要性を訴えかけた。ティラーソンが後に示したのは、イランは「技術的法令遵守事項」を守る一方で、トランプ政権の関心はより政治的なところにあるということであった。
 トランプ大統領は、以前自分の関心が核合意が遵守されていることを認めることにないと表明していた。この核合意の遵守の確認は90日ごとに政府が行うように求められている。
 国務省の政策立案担当局長のブライン・フックは、WSJに、トランプ大統領は核合意に関して決断したと述べてはいるが、「我々(国務省)はまだイランの振る舞いの非核分野の様相を説明するための包括的な計画を作成中である」と認めている。
 ホワイトハウスは、10月のイラン側の努力の際承認の期限の前に、合同包括行動計画(the Joint Comprehensive Plan of Action (JCPOA))に関する決定を公表する予定である。」

Tillerson urging Trump to certify Iran's compliance with nuclear deal: report | TheHill

 この包括的共同作業計画(JCPOA)は、濃縮ウランの貯蔵量・遠心分離機の数の削減、兵器級プルトニウム製造の禁止、研究開発への制約、査察の受け入れ・透明性強化を定めたものですが、イランの核開発そのものを停止させるのではなく、核兵器1個を作成するのに1年以上かかるように開発に掛かる時間を遅らせているに過ぎないものです。
 そのため、共和党の一部やイスラエルが、この核合意には反対しているのです。イスラエルとは深い絆で結ばれたトランプ大統領のことですから、国務省がどこまで反対できるかは疑問です。ただ、やはりティラーソンが率いる国務省が一番正直であるようにも思えます。ですから、トランプ政権の行方はティラーソンから判断するのが最も正確だと考えられるのです。