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北朝鮮への新たな制裁措置は戦争の引き金になるか

 にわかに、北朝鮮情勢が動き始めました。北朝鮮が「太平洋で水爆」という物騒な発言に踏み切ったのも、トランプ大統領の国連総会での演説が大きな要因となっていますが、その一方で、トランプ大統領による新たな大統領令による制裁措置の発表がありました。
 いきなり、核戦争は考えにくいのですが、それでもその可能性は高まっていると言えるでしょう。

 


今回もThehillの紹介です。
「 トランプ大統領は、木曜日に、北朝鮮への旅行の禁止と経済制裁を定めた大統領令にサインした。ホワイトハウス北朝鮮の核問題をめぐって対決して金正日キム・ジョンイル)に圧力をかけようとしているのだ。
 トランプが署名したのは国連であった。そこで彼は、国際社会が北朝鮮の挑発に十分対応していないと不満を表明していた。今週初め、各計画を継続するならば、北朝鮮を「完全に破壊する」と述べたばかりだった。

 今回の制裁措置は次の5点である。

1.北朝鮮の金の流れを止める
 新たな制裁は、北朝鮮の指導者の資金を削減するため、金融機関に選択肢を与えることを目指している。すなわち米国との取引をとるか北朝鮮との取引を取るかという選択を迫っているのである。
 その点でムニューシン財務長官は、制裁に関する説明会で次のように語っている。「外国金融機関は、アメリカとの取引か、北朝鮮との取引か、いずれかを選ぶことができる。しかし、両方をおこなうことはできない」
 大統領令は、北朝鮮と取引があるもしくは促進している外国金融機関にアメリカ金融機関へのアクセスを与えないという権限を財務省に与えている。
 商品、サービス、技術を北朝鮮と取引するものは誰でもアメリカの金融システムからは閉め出される。
 アメリカと北朝鮮の双方に同時に取引のある銀行の存在は、北朝鮮へのより厳しい制裁にとって懸念の的であった。しかし、アメリカ経済への影響を考慮して制裁が回避されていた。
 しかし、北朝鮮が核開発の夢の実現に近づくにつれて、経済上のコストよりも国家の安全保障の方が上回るという意見が出されるようになった。
 そこで、木曜日に新たな制裁が決定されたのである。
 カリフォルニア選出のエド・ロイス上院議員も「私が何度も主張してきたように、国際金融機関は北朝鮮とアメリカで取引する相手を選ばなければならない」という生命を発表している。

2.通商も対象
 もう一つの北朝鮮に対する制裁は、北朝鮮の通商に用いられる交通機関のアメリカへの物理的アクセスを禁止するというものだ。
 北朝鮮を訪れた船舶、飛行機は、180日間米国への入国を禁止される。また、北朝鮮を訪問した船舶から積荷を移し替えた船も同じ期間米国への入国を禁止する。
 ムニューシン財務長官は、影響を受ける飛行機、船舶の数を明言しなかった。しかし、「非常に多い」とだけ述べた。さらに、「我々は沿岸警備隊と他国の同様の組織と緊密に協力している」と付け加えた。
 また財務省が制裁対象として明示したのは、北朝鮮での建設、エネルギー、金融サービス、漁業、通信技術、製造業、製薬、鉱業、織物産業、運輸業に関わるもの、北朝鮮の港湾を所有するもの、管理するもの、運営するもの、そして、北朝鮮の商品、サービス、技術の輸出入に少なくとも1度関わったものであった。
 これは従来のアメリカの制裁措置を拡大したものだ。以前は北朝鮮軍に関連した外国企業に焦点が当てられていた。
 この制裁措置に関して、共和党上院議員のベン・サスは、「通商は効果的な武器だ」と述べている。

3.中国はターゲットではない
 トランプの北朝鮮と取引を行う者に対する制裁措置は重大な問題を提起している。今回の大統領令は、北朝鮮の最大の貿易相手である中国に影響を与えるのかどうかと言うことだ。
 「私は一つの国だけを対象にしている。その国とは北朝鮮だ」とトランプは語っている。
 ムニューシン財務長官は、事前に、中国人民銀行の幹部と大統領令の潜在的な副作用について議論していた。その上で、財務長官は「中国とは緊密に協力している」と語っている。
 そして、トランプ大統領も、「少し前に聞いた話」として、中国の中央銀行が「即座に北朝鮮との取引を停止した」と発表している。
 「習近平主席には、今日大胆な措置を執っていただいたことに感謝したい」とトランプは述べた。「これは予期しなかった動きだ。私たちは評価している」
 それでも、トランプ大統領は中国とロシアへの不満を隠していない。北朝鮮孤立化のために十分働いていないためだ。両国は、安全保障理事会での制裁決議に賛成したが、トランプ大統領はそれでは十分ではないと考えている。
 以前はトランプ大統領に批判的であったサス上院議員は、大統領令を賞賛し、「アジアにおける核兵器競争を予防する際に強い利害関係があることを中国に想い起こさせた」と述べた。
 中国がホワイトハウスから賞賛される一方で、ムニューシン財務長官は、アメリカ政府が「ロシアも同様の措置を執る」ことを希望していると述べた。

4.主要同盟国も同意
 トランプは今回の制裁措置に関して日本と韓国から賛同を受けている。日本の安倍首相と韓国の寅大統領からである。
 寅大統領は、大統領令を賞賛し、「そうした動きは北朝鮮の完全な非核化に貢献するだろう」と述べている。
 安倍首相も、今回の制裁措置が「心からの支援」であると表明している。
 こうした裏付けが鍵になる。その上でトランプ大統領は三カ国の首脳会談に臨んだ。
 トランプ大統領同様、安倍首相は北朝鮮に対する強硬策をとった。しかし寅大統領は、大統領選において北朝鮮との対話路線を優先していた。そのために軍事的活動にむけた議論は抑制していた。
 トランプ大統領は国連総会で北朝鮮を激しく非難しており、三カ国の統一メッセージは強力なものとなった。
 「国連代表はこの問題に関して25年間も活動してきた。しかし何もなしえなかった」とトランプ大統領は述べた。「だから、我々が今日この問題に取り組んでいるのだ。加えて、他の国々も何もしなかった。こうした恥ずべき慣行への寛容は今終わらせるべきだ」

5.トランプ大統領は下院に働きかけた
 トランプ大統領の木曜日の大統領令は、突然発表された。事前に何の前触れもリークもなかった。
 トランプ大統領は自分が大事と考える問題は、自らで決断する。これまでもそうだったのだ。
 「北朝鮮のミサイルと兵器開発は世界の平和と安全にとって重大な脅威である」とトランプ大統領は述べている。
 ホワイトハウスは、トランプ大統領の政策を実現できない共和党優位の下院に不満を募らせていた。そして共和党下院議員が、時宜にかなった制裁パッケージを可決できるとは考えていない。
 しかし、サス上院議員のように、従来はトランプ大統領に批判的であった共和党議員も今回のトランプ大統領の決定に賛同している。
 エド・ロイス上院議員は、アメリカは「最終的に」「キムに最大の圧力」をかけることになると述べている。その一方で、コーリー・ガードナー上院議員も制裁を「大きな第一歩」とのべている。」

5 things to know about Trump's new North Korea sanctions | TheHill

 北朝鮮問題はさておき、ホワイトハウスが円滑に機能していることが窺える今回の制裁措置の発表でした。リークがなかったのは大きいですね。制裁の中身に関しては、金融機関はダメというところまでは想定していましたが、北朝鮮に入国した船・飛行機もダメというのは徹底しています。これまでは、北朝鮮への制裁に控えめであったロシアや中国も今度ばかりは何らかの対応を迫られるでしょう。
 しばらくは、こうした口頭での戦争が繰り広げられるでしょうが、北朝鮮が経済的に追い詰められれば、暴発の可能性もあるでしょう。その時は北朝鮮は、韓国だけでなく、日本にも何らかの攻撃を行うでしょう。いよいよ憲法改正が待ったなしになってきました。