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北朝鮮への究極の対抗策

 北朝鮮との戦いはもう始まっています。ブルームバーグVSロイターの勝負を取りあげます。

 

 まず、ブルームバーグの記事が推奨する北朝鮮への対抗策を紹介しましょう。長いので肝心な部分だけ紹介します。
「実際の所、金正恩安保理制裁を違反させない唯一の方法は、厳格な海上封鎖である。完全な海上封鎖は新たに国連決議が必要になるだろうが、アメリカが即座に包括的な査察体制を確立するために準備を始めることはできる。この海上封鎖には、より多くの同盟国、友邦国、それに地政学的には対抗関係にある中国やロシアも参加することができる。実際、トランプ政権も、既にこの方針を検討しているのだ」

www.bloomberg.com

 これに対してロイターは次のように主張しています。

「米国が北朝鮮政策を改善する唯一の方法は、北朝鮮が今後長きにわたり核能力を保有し続け、米国が何を差し出そうと核開発プログラムを放棄することはありそうにないと認めることだ。これは、北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長が、何を望んでいるかという問題ではない。むしろ、何が米国の国家安全保障にとって有益かの問題だ。
 核保有国として北朝鮮を公式に認めることが、アジアの国々を震撼(しんかん)させようと、トランプ大統領はとにかくそうすべきである。そうすれば米国は直ちに、ますます想起しづらくなっている非核化という目標を離れ、抑止と封じ込めという昔ながらの戦略に再び焦点を絞ることが可能となる。」

jp.reuters.com

 
 ここまで来れば米朝国交樹立まではもう一息でしょう。ロイター案のように北朝鮮を核保有国としてその存続を認めるということになれば、国交を樹立しない理由にはならないからです。これこそが金正恩の狙いであると言っても良いでしょう。
 米朝国交樹立がなぜ日本に取っての悪夢かというと、拉致被害者はもう永遠に戻ってこず、北朝鮮に資金供与をアメリカから求められることになるためです。ですから、米朝国交樹立で、現在の安倍政権は瓦解することにもなります。その時、尖閣諸島は、南シナ海問題は、なによりも日本の安全保障はどうなるのでしょうか。かなり危ない事態になることは否めません。
 実際問題として、海上封鎖か核保有国としての存続の認定か、どちらが日本の国益に資するかは明らかでしょう。とはいえ、日本の自衛隊が海上封鎖に加わった場合、戦時と同じ覚悟で行わねばなりません。北朝鮮との戦争はもう始まっていると考えるべきなのです。