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第二次朝鮮戦争の帰結から北朝鮮の勝利条件を逆算する(1)

 スイス、という補助線は個人的にはヒットでした。ようやく全てがつながったという気がします。いずれ、第二次朝鮮戦争が勃発するということから逆算すれば、実に多くのことが見えてくるのです。

 

 結論から言えば、もはや第二次朝鮮戦争の勃発は避けられないといえます。なぜ避けられないかは、追々説明していきますが、さし当たって第二次朝鮮戦争の結果から予想していきましょう。
 確かに、戦争のきっかけは北朝鮮の核ですが、米朝、もしくは中朝が激しく対立することで、本格的な紛争になれば、やはり北朝鮮の現体制は崩壊するでしょう。その後、北朝鮮に眠る豊かな鉱産資源を巡ってアメリカ・中国・ロシアが対立することになります。
 従って、戦後は様々なケースが想定できます。アメリカと韓国が北朝鮮全域を占領する場合、米韓が中国と北朝鮮を分割する場合などです。ただ、中国としては鴨緑江沿いにアメリカと対峙はしたくないでしょうから、いざとなれば、北朝鮮に進出する可能性はアメリカ異常に高いといえるでしょう。その一方で、ロシアには東欧でのNATO諸国との対立を放置して、極東の問題に積極的に関わることは困難であろうと予想出来ます。
 さて、ある程度の北朝鮮分割が終了した後、北朝鮮はどうなるのでしょうか。それは、西側の資本の本格的な導入が始まることになります。その時、北朝鮮に眠る膨大な鉱産資源や石油の採掘が開始されることでしょう。そして、北朝鮮の後継国家はその富を存分に利用し急速に近代化を推進することになるでしょう。
 つまり、西側の資本が導入されるという条件さえそろえば、北朝鮮は急速に持ち直す可能性が高いのです。
 実は、金正恩も恐らく同じことを考えているのです。北朝鮮に西側の資本を導入するための条件は、アメリカとの国交回復です。そのために、北朝鮮はこれほどまでに過激に核戦争の危機をかき立てているのです。
 次の問題は、アメリカが北朝鮮の申し出に応じるかということです。この点で北朝鮮は、というより金正恩は大きな誤解をしているのです。(続)