北朝鮮の
建国記念日を前にして緊張が高まっています。そのために
米原子力空母
ロナルド・レーガンが出航したことも
産経新聞の記事にされています。
「
米原子力空母ロナルド・レーガンが横須賀出港 朝鮮半島近くに展開か2017.9.8 07:24
米海軍
横須賀基地(神奈川県
横須賀市)に配備されている
原子力空母
ロナルド・レーガンが8日、周辺海域の警戒任務に当たる長期航海のため同基地を出港した。
北朝鮮情勢の緊迫を受け、米韓は
原子力空母や
戦略爆撃機の韓国への展開強化で一致しており、
ロナルド・レーガンが
朝鮮半島近くに派遣されるかが注目される。(以下略)」
こうした記事を見れば、米軍は同盟国である日本を守る意思があるのだなということは感じられるのですが、少なくとも米第七艦隊の現状の能力に関しては、米国本国でも疑問視されています。
たとえばDevense Newsの「
US Navy worked around its own standards to keep ships underway: sources」
という記事によれば、
ペンタゴンでも米国議会でも第七艦隊の戦闘能力に疑問符がつけられています。
特に問題視されているのが、「リスク評価管理計画プログラム(risk assessment management plan” program)」、略してRAMPシステムで、正規の訓練を受けた水兵や士官でなくとも艦船を稼働できるとした制度です。訓練不足による
マンパワーの不測を、肝心の訓練を回避することによってカバーするという慣行がどうも一般化していたようなのです。
このために第七艦隊は恒常的な訓練不足の状態に陥っていました。そのために短期間に2度も
イージス艦が事故を起こしていたのです。小規模の、事故寸前の事態はこれよりもずっと多いと推測されます。
このような訓練不足の状態で、
イスラム過激派のようなテロリストを相手にするのではなく、核戦力を備えた国家と近代的な戦争を完遂できるものでしょうか。トランプ大統領がどれほど戦争を仄めかそうと、現在のアメリカには戦争を遂行する能力は残されていないのです。少なくとも、第7艦隊の訓練不足が解消される1年程度後までは、本格的な開戦とはなりにくいと予想されます。
その代わりと行っては何ですが、日本は
キューバ危機のような状態を堪え忍ばねばなりません。