FirstHedge 明日の投資情報

投資を搦め手で分析します。

日本の自動車の命運はいかに。

 そもそもガソリン・ディーゼル車はなくなるのでしょうか。燃料補給すれば600km程度走行可能というのはなかなか捨てがたい条件でしょう。

 電気自動車の場合、その電池自体の重量の問題もありますが、やはり充電にかかる時間が最大のネックになります。400km程度走って、数時間充電しなければならないとすれば、遠くにドライブはほぼ不可能になります。

 リチウムイオン電池の劣化は今の技術では避けられないのです。リチウムイオン電池を劣化させる最大の原因は熱で、高温状態に晒された場合、たとえば、携帯電話やノートパソコンを満充電に近い状態で夏場の車の車内に放置していれば、電極の炭素の中に閉じ込められているリチウムイオンが溶出してあっという間に劣化するのです。したがって、電池を長持ちさせるには、高温状態を避ける事が最優先になります。
 夏場は車体が高温になることが避けられず、高速道路などの電力を多く消費する環境で電池の発熱が避けられない電気自動車で電池の温度上昇を抑止する方法はありません。クーラーを用いるとしても、それですら電力で稼働するわけですから、移動可能距離は大幅に減少してしまうでしょう。
 したがって、数年後に現れるであろう全固体電池(充電も急速に行える)が実用化されるまでは、電気自動車が、普通の自動車に取って代わることは考えにくいのです。
 にもかかわらず、ヨーロッパだけでなく、中国も、自動車を全てEVにしてしまおうと目論んでいます。ヨーロッパの場合は、ドイツ車のクリーン・ディーゼルがインチキであったために、それに懲りたと考えられますが、中国の場合は、自国こそが今後の自動車生産の中心地になるという野心を抱いているのでしょう。世界を征服するという野望が今回の中国の決定の背後にあるとみられます。

 

中国政府、化石燃料車販売終了の期限設定へ-工業情報省次官
2017年9月10日 11:39 JST
中国政府は、化石燃料車の販売終了時期について期限を設ける方針だ。自動車メーカーに電気自動車(EV)開発の取り組みを加速させるよう促すことが狙い。
  工業情報省の辛国斌次官は9日、天津の自動車フォーラムで、化石燃料車の生産・販売の終了に向けたスケジュールの作成に政府が他の規制当局と取り組んでいることを明らかにした。これが環境や中国自動車産業の成長に大きな影響を与えるとの見方を示した。
  化石燃料車の販売禁止は、中国内外の自動車メーカーにEVへのシフトを促すことになる。エネルギー効率に優れた車・トラックの販売を押し上げることで大気汚染を減らし、石油輸入の削減を目指す中国政府の戦略的目標に沿うものになる。
  ホンダの中国本部長、水野泰秀執行役員は同フォーラムで、同社が中国市場向けのEVを2018年に投入する計画だと述べた。中国の合弁会社である広汽本田汽車と東風本田汽車と開発中であり、両社と共に新ブランドを創設すると説明した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-09-10/OW1F1O6KLVR401